【ラスト・パラダイス】 一人ぼっちのダンジョン攻略 少年は命がけのゲームを、孤独に戦いぬく

猫野 にくきゅう

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古の神殿

第98話 VS巨大石像・決着 B

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 石の群れが、空中を飛んでいた。
 拳大ほどの石が、小さな魚のように群れを成し、僕を目がけて襲い掛かってきた。

 どうやら巨大石像は、巨体を維持するのを諦めて、無数の小さな体を操って敵を攻撃する形態に変化したようだ。


 僕たちの攻撃で敵の体積もかなり減っていたし、身体を修復する時間もない。
 状況に応じて、臨機応変に戦闘スタイルを変化させるのか……。

 厄介な敵だ。


 僕は敵の攻撃に備える為に、全身を『ブラック・アーマー』でコーティングする。

 石つぶてが無数に、僕を目がけて向かってくる。


 ──ガンッ! ガンッ!! ガンッ! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ! ガンッ! ガンッ!! ガンッ! ガンッ!! ガンッ! ガンッ!! ガンッ!! ガンッ! ガンッ!! ガンッ!! 

 敵の猛攻に晒されて、HPがガンガン減っていく──

 防御力を底上げしているのに、これだけ痛いとは……。


 単純に石をぶつけるというのが、攻撃手段としては効果が高い様だ。


「──ヒール! ヒール!!」


 僕が身をもって、それを実感していると心愛さんがヒールの重ね掛けをしてくれた。

 減少していたHPが、急回復する。

 しかし、それによって、敵の攻撃ターゲットが変更されたようだ。

 
 石つぶての群れが、後方にいた心愛さんに向かって行く。

「アイス・レイン────!!」

 心愛さんの隣に居た怜悧が、石つぶての群れに氷の槍を雨のように降らせた。

  
 石つぶての群れは、僕にぶつかったダメージで自滅したり、怜悧の魔法攻撃でその数を減らしていたが、まだまだ多い──

 あの攻撃を生身で受ければ、心愛さんと怜悧は持たないはずだ。

 奥の手を使うしかない。

 スロウで時を止めて、ダークショットを撃ちまくる。

 だが、MPの減少した状態の僕が、後どれだけ弾丸を撃てるだろうか?

 あの石つぶての群れを、すべて破壊できるだろうか──?



 そんな心配が、僕の頭をよぎった。
 その時に、石つぶての群れに変化が起きる。


 石つぶての群れが、不自然に一瞬、停止した。
 そして、森の方を『見た』。


 それは、まるで──
 歩いている人が立ち止まって、振り向いて隣を確認するような動きだった。

 森の中には、逗桃が居た。
 逗桃は怜悧と心愛さんから離れて、森の中にいて、そこで『挑発』を使ったのだ。


 『挑発』された石つぶての群れは、逗桃の方を『振り向く』ように見る。

 
 群れが一斉に、そういう動作をした。

 そのおかげで、気付くことが出来た。


 群れの中に一つだけ、群れの中心で、全く動かない石があったことに……。

 僕は用意していたダークショットの弾丸を、その群れの中心の石に向けて放った。


 ────ドウッ!!

 その石を破壊すると、全て石が力を失ったように地面に落下する。

 そして黒い霧を発して、やがて消えた。


 僕たちは、古の神殿のダンジョンボス──
 『巨大石像』を倒した。

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