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前世
僕が腐男子に目覚めたわけ-1
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相良 善仁(サガラ ヨシヒト)16歳。
高校二年生の健全な男子高校生だった。
あの本に出会うまでは……
「ヨッシー、帰ろうや!」
HRが終わって帰りの準備をしている俺に声をかけたのは
他クラスに進級した親友の吉村 和真(ヨシムラ カズマ)、通称カズ。
黒髪の短髪でバスケが好きな元気一杯の男の子だ。
「あ、カズおっけ!ちょっと待って、今行く!」
ぱぱっと持って帰る荷物を詰め込み教室の扉に寄りかかるカズの所へ向かう。
「そーいやぁ、部活は?」
「今日休み、明日の土曜から地区大会じゃけん。応援来てや、どーせ暇じゃろ?」
「どーせ暇って…wいいけどそん代わり、帰り本屋寄らして。
漫画の最新刊買わんといけん!」
「そのぐらい全然よき!」
2人で玄関まで向かう途中色々な人に声をかけられる。
俺達は結構みんなから人気があると思う。
軽く遊ばせた毛先、ちょっと着崩した制服、
甘めの香水をつけ、カズとそんな変わらない160前後の身長。
スポーツ男子のカズとその反対のちょっとヤンチャ男子ってとこかな。
「ヨシくんバイバイ!」
「カズくん明日頑張ってねぇ~」
「ヨッシー、カズじゃーな!」
女の子とも男とも仲良いけど
気が許せて本音で喋れるのはカズしかないと思う。
ほんとにカズはたった一人の俺の親友だ。
挨拶してくれる人達一人一人に挨拶を返して学校を出る。
「なんの漫画買うん?」
「あー最近ハマっとるのは転生もんかな。
主人公チートとかすっごいツボに来る。
シンプルに面白いし!」
「ふ~ん、漫画読む暇があるんなら一緒にバスケしようや」
「やだよ、無駄な体力は使いたくない」
軽口を叩きながら帰ってるとポケットから軽い振動を感じた。
「……げっ!」
「なに?」
「兄貴からだ……」
「ど、どんまいwww」
スマホの画面を見ると兄貴からで。
今までの経験から言うと帰り際の連絡って悪い予感しかしない、ほんと。
「もし?」
『今帰り?』
「うん、今から本屋寄って帰るとこ」
『へぇ、ついでにケーキ予約しとるけん持って帰ってきて。
金は払っとる、駅前のいつものとこね~、よろしく!』
「はぁ??俺早く帰って漫画読みたいんだけど。
兄貴自分で予約したんなら自分で取りに行けよ」
「俺これからデート、兄貴命令な。ほなの!」
兄貴命令なってとこだけドス効かしてほなのって軽く行ったあと勝手に切られた……。
結局断れず俺が取りに行く。
このヤンチャな見た目も兄貴の影響で。結局断れないんだよなぁ。
頭が上がらないって言うか……。
「駅前のケーキ屋に行かんといけんくなった…」
「やっぱパシリなのなwついてくよ」
「すまん」
あとはたわいもない話をして、
何組の誰々が可愛いとか、おっぱいがでかいとか、エロそうとか。
誰々がカズを好きだとかなんとか。
15分位歩いたらみんな大好きイオ○モールについた。
「あ、ヨッシーじゃ~ん。お久~」
駐輪場を横切ってたら声をかけてきたのは
ガラの悪い男と一緒にいる髪の毛を染め化粧バッチリの女。
兄貴のダチだ。
「カナじゃん!!!最近兄貴とあそんでなくない??」
「あ~喧嘩したんだよねぇ。アイツうちの友達に手ぇ出してやがったからな。許せん。」
それを聞いて俺はなるほどと苦笑をした。
カナは気の強い女だけどハキハキ喋るし裏表ないしダチ思いだし、
何より俺を可愛がってくれるから大好きだ。
その代わり女どもから妬みやっかみを買っているらしいが……
「カナ先輩こんにちは!」
「あ、カズ!なんかまたでかくなった??」
「そんなことないっすよ!あ、でも前あった時より1センチは伸びてると思うっす!」
「いいねぇ~伸び盛りじゃん!」
「カナ先輩はなんかまた可愛くなりました?w」
「ふふん、分かる??好きな人出来たんだよねぇ~、だから女磨いてんの!」
「あ、、そっすか!頑張ってくださいね!」
「さんきゅ、カズも頑張れよ!聞いたよ、明日からバスケの試合だろ??
明日は無理だから勝ち進めよ、したら明後日応援行くわ!」
「あざっす!!勝たんといけんすねそれは!!」
「カナ、俺たちもう行くわ!またな!」
「お疲れ様っした!失礼します!」
「おつかれ~、じゃーね!!!」
カナ達から少し離れたとこでちらっと隣を見た。
心無しか沈んでいるように見える。
「カズ?大丈夫?」
なかなか爽やかな雰囲気を見せたカズだけど実はカナのことが大好きで、
それは恋愛的なもので。
「おうっ!久々に会えたしめっちゃ嬉しい!けど好きなやつがいたのはショックかな~」
「どーせ、すぐに信じらんない!あいつお年寄りに優しくしなかったんだけど!とか言って怒って愚痴ってくるよ」
「確かになwww前は店員に横柄な態度を取ったんだっけ?」
「そーそー、その前はワガママばっかで無理って言ってたなぁ、、」
「俺ってそこらクリアしてると思うんだよね、ヨッシー的にはどうよ」
「俺もカズはいいと思うんだけどなぁ。近かったら逆に意識しなくなるって言うし。これからじゃね??」
「んーダチの弟のダチって近くなくね??」
「言葉にしたらそうだけど距離的には近くね?w」
「確かにw」
そんな落ち込んでもなさそうだからよかった。
高校二年生の健全な男子高校生だった。
あの本に出会うまでは……
「ヨッシー、帰ろうや!」
HRが終わって帰りの準備をしている俺に声をかけたのは
他クラスに進級した親友の吉村 和真(ヨシムラ カズマ)、通称カズ。
黒髪の短髪でバスケが好きな元気一杯の男の子だ。
「あ、カズおっけ!ちょっと待って、今行く!」
ぱぱっと持って帰る荷物を詰め込み教室の扉に寄りかかるカズの所へ向かう。
「そーいやぁ、部活は?」
「今日休み、明日の土曜から地区大会じゃけん。応援来てや、どーせ暇じゃろ?」
「どーせ暇って…wいいけどそん代わり、帰り本屋寄らして。
漫画の最新刊買わんといけん!」
「そのぐらい全然よき!」
2人で玄関まで向かう途中色々な人に声をかけられる。
俺達は結構みんなから人気があると思う。
軽く遊ばせた毛先、ちょっと着崩した制服、
甘めの香水をつけ、カズとそんな変わらない160前後の身長。
スポーツ男子のカズとその反対のちょっとヤンチャ男子ってとこかな。
「ヨシくんバイバイ!」
「カズくん明日頑張ってねぇ~」
「ヨッシー、カズじゃーな!」
女の子とも男とも仲良いけど
気が許せて本音で喋れるのはカズしかないと思う。
ほんとにカズはたった一人の俺の親友だ。
挨拶してくれる人達一人一人に挨拶を返して学校を出る。
「なんの漫画買うん?」
「あー最近ハマっとるのは転生もんかな。
主人公チートとかすっごいツボに来る。
シンプルに面白いし!」
「ふ~ん、漫画読む暇があるんなら一緒にバスケしようや」
「やだよ、無駄な体力は使いたくない」
軽口を叩きながら帰ってるとポケットから軽い振動を感じた。
「……げっ!」
「なに?」
「兄貴からだ……」
「ど、どんまいwww」
スマホの画面を見ると兄貴からで。
今までの経験から言うと帰り際の連絡って悪い予感しかしない、ほんと。
「もし?」
『今帰り?』
「うん、今から本屋寄って帰るとこ」
『へぇ、ついでにケーキ予約しとるけん持って帰ってきて。
金は払っとる、駅前のいつものとこね~、よろしく!』
「はぁ??俺早く帰って漫画読みたいんだけど。
兄貴自分で予約したんなら自分で取りに行けよ」
「俺これからデート、兄貴命令な。ほなの!」
兄貴命令なってとこだけドス効かしてほなのって軽く行ったあと勝手に切られた……。
結局断れず俺が取りに行く。
このヤンチャな見た目も兄貴の影響で。結局断れないんだよなぁ。
頭が上がらないって言うか……。
「駅前のケーキ屋に行かんといけんくなった…」
「やっぱパシリなのなwついてくよ」
「すまん」
あとはたわいもない話をして、
何組の誰々が可愛いとか、おっぱいがでかいとか、エロそうとか。
誰々がカズを好きだとかなんとか。
15分位歩いたらみんな大好きイオ○モールについた。
「あ、ヨッシーじゃ~ん。お久~」
駐輪場を横切ってたら声をかけてきたのは
ガラの悪い男と一緒にいる髪の毛を染め化粧バッチリの女。
兄貴のダチだ。
「カナじゃん!!!最近兄貴とあそんでなくない??」
「あ~喧嘩したんだよねぇ。アイツうちの友達に手ぇ出してやがったからな。許せん。」
それを聞いて俺はなるほどと苦笑をした。
カナは気の強い女だけどハキハキ喋るし裏表ないしダチ思いだし、
何より俺を可愛がってくれるから大好きだ。
その代わり女どもから妬みやっかみを買っているらしいが……
「カナ先輩こんにちは!」
「あ、カズ!なんかまたでかくなった??」
「そんなことないっすよ!あ、でも前あった時より1センチは伸びてると思うっす!」
「いいねぇ~伸び盛りじゃん!」
「カナ先輩はなんかまた可愛くなりました?w」
「ふふん、分かる??好きな人出来たんだよねぇ~、だから女磨いてんの!」
「あ、、そっすか!頑張ってくださいね!」
「さんきゅ、カズも頑張れよ!聞いたよ、明日からバスケの試合だろ??
明日は無理だから勝ち進めよ、したら明後日応援行くわ!」
「あざっす!!勝たんといけんすねそれは!!」
「カナ、俺たちもう行くわ!またな!」
「お疲れ様っした!失礼します!」
「おつかれ~、じゃーね!!!」
カナ達から少し離れたとこでちらっと隣を見た。
心無しか沈んでいるように見える。
「カズ?大丈夫?」
なかなか爽やかな雰囲気を見せたカズだけど実はカナのことが大好きで、
それは恋愛的なもので。
「おうっ!久々に会えたしめっちゃ嬉しい!けど好きなやつがいたのはショックかな~」
「どーせ、すぐに信じらんない!あいつお年寄りに優しくしなかったんだけど!とか言って怒って愚痴ってくるよ」
「確かになwww前は店員に横柄な態度を取ったんだっけ?」
「そーそー、その前はワガママばっかで無理って言ってたなぁ、、」
「俺ってそこらクリアしてると思うんだよね、ヨッシー的にはどうよ」
「俺もカズはいいと思うんだけどなぁ。近かったら逆に意識しなくなるって言うし。これからじゃね??」
「んーダチの弟のダチって近くなくね??」
「言葉にしたらそうだけど距離的には近くね?w」
「確かにw」
そんな落ち込んでもなさそうだからよかった。
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