パパLOVE

鷲宮@

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「廊下で待ってるからとりあえず行ってみれば」

「面倒くさいな」

仕方なく廊下に出てみると、そこにはどこかで見たことのある男子生徒がいた。

「ごめん、呼び出しちゃって」

「別に…それで私に何の用ですか?」

「連絡先を教えて欲しいんだけど」

「私の?」

「うん、西島さんの」

殆んど初対面の人に連絡先を聞くなんて、なんて失礼な人なんだろう。

「何でですか?」

「何でって…ダメかな?」

「ごっ‥ごめんなさい。私、スマホ持ってなくて」

「そうなの? なら家電でもいいんだけど」

「家電は親に教えていいか聞かないとわからないから」

「そっか…あのさなら、今度一緒に帰らない?」

「部活があるんじゃないんですか?」

「あるけど」

「私は帰宅部だから一緒には無理ですよ」

「部活がない日は一緒に帰れるよ」

「じゃあその時にでも」

「楽しみだな」

何なんだろうこの人?

ちょっとしつこいな。

「それじゃあ、また」

彼はそう言うと、手を小さく振りながら走って行った。

「香澄ちゃん、三枝先輩何だって?」

彼がいなくなるのと入れ替わりで舞香と詩美がやって来た。

「三枝先輩?」

「知らないのか?」

「知らないけど」

「三枝先輩は2年生でサッカー部に入ってるの。2年生ながらにレギュラーに選ばれていて試合では何得点もシュートを決めるようなエース的な存在らしいよ」

「それに学力は優秀で成績は学年でも3本の指に入るとか。運動神経抜群で成績優秀、その上イケメン。全校の女子生徒の憧れの的だよ。そんなことも知らないのか?」

「知らないよ。興味ないもん」
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