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永遠の愛の誓い
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「ルーカス殿下。ご覧になりましたか?」
「……あぁ」
ルーカス王子は剣を収めました。彼の目にも、もう戦う気配はありませんでした。
「私は研究が好きです。でも、それ以上に……この不器用で、無茶ばかりする騎士様のことが好きなんです。どんなに素晴らしい研究所を用意されても、彼のいない場所になんて行けません」
ハッキリと伝えました。ルーカス王子はしばらく私とキース様を交互に見つめ……そして、大きく溜息をつきました。
「……負けたよ。完敗だ」
彼は髪をかき上げ、キザなポーズで空を見上げました。
「魔法も地位も使わず、ただ愛だけで僕の剣を押し返した。……美しいね。悔しいけど、僕が入る隙間は1ミリもなさそうだ」
彼はニカッと笑い、キース様に手を差し出しました。
「悪かったね、筋肉騎士君。いや、キース。君は強い男だ。僕が保証するよ」
「あんたもな、ルーカス。魔法剣は厄介だった」
二人はガッチリと握手を交わしました。周りの生徒たちから、割れんばかりの拍手が起こりました。
「でもロゼリア嬢! 結婚は諦めるけど、ファン第1号はやめないからね! また遊びに来るよ!」
「……ええ。お友達としてなら、歓迎しますわ」
こうして、学園祭の夜はちょっと騒がしく、でも温かい友情と愛の確認で幕を閉じました。
――それから数年後。王都の大聖堂で、盛大な結婚式が行われていました。
「うっ……ううっ……ロゼリアぁ……綺麗だよぉ……」
「マリー、泣きすぎですわ。データがブレてしまいますよ?」
ウェディングドレスを着た私は、控室で親友のマリーに笑いかけていました。純白のドレスは、マリーが開発してくれた光の糸で織られた特注品。動くたびに、ダイヤモンドダストのようにキラキラと輝きます。
「だってぇ……ロゼリアが……こんなに幸せになって……」
マリーはハンカチで鼻をかみました。そこへ、コンコンとノックの音が。
「ロゼリア。そろそろ時間だ」
扉を開けて入ってきたのは、白いタキシードに身を包んだキース様でした。騎士団長に昇進した彼は、以前よりもさらに逞しくて優しくなっていました。
「……綺麗だ。世界で一番」
「ふふっ。キースも素敵ですわ」
私たちは腕を組み、バージンロードへと歩き出しました。扉が開くと、そこにはたくさんの笑顔がありました。
最前列では、マリーがビデオカメラを回しています。その隣には、たまに遊びに来るルーカス王子がいます。
「おめでとう! やっぱり僕の方が似合うけどね!」
彼は冗談を言いながら花びらを撒いています。
学園の友人たちに先生たち。そして何より、この国の人々が私たちの結婚を祝福してくれていました。
神父様の前で、私たちは誓いの言葉を交わしました。
「健やかなる時も、病める時も……」
婚約者のアルベルト様を幼馴染のミナに奪われて、悲しかった日々が懐かしい。
全ての苦しみは、この瞬間のためにあったのかもしれません。だって、あんなことがなければ、私はキース様の本当の愛に気づけなかったのですから。
「誓います」
キース様が、私のベールを上げました。黒い瞳が涙で潤んだ私の瞳を見つめます。
「愛しているよ、ロゼリア。一生、君を守り抜く」
「私もです。愛しています、キース」
重なる唇。ステンドグラスから差し込む七色の光の中で、私たちは永遠の愛を誓いました。
(完)
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。応援してくださった皆様に心から感謝しています。本当にありがとうございました。
「……あぁ」
ルーカス王子は剣を収めました。彼の目にも、もう戦う気配はありませんでした。
「私は研究が好きです。でも、それ以上に……この不器用で、無茶ばかりする騎士様のことが好きなんです。どんなに素晴らしい研究所を用意されても、彼のいない場所になんて行けません」
ハッキリと伝えました。ルーカス王子はしばらく私とキース様を交互に見つめ……そして、大きく溜息をつきました。
「……負けたよ。完敗だ」
彼は髪をかき上げ、キザなポーズで空を見上げました。
「魔法も地位も使わず、ただ愛だけで僕の剣を押し返した。……美しいね。悔しいけど、僕が入る隙間は1ミリもなさそうだ」
彼はニカッと笑い、キース様に手を差し出しました。
「悪かったね、筋肉騎士君。いや、キース。君は強い男だ。僕が保証するよ」
「あんたもな、ルーカス。魔法剣は厄介だった」
二人はガッチリと握手を交わしました。周りの生徒たちから、割れんばかりの拍手が起こりました。
「でもロゼリア嬢! 結婚は諦めるけど、ファン第1号はやめないからね! また遊びに来るよ!」
「……ええ。お友達としてなら、歓迎しますわ」
こうして、学園祭の夜はちょっと騒がしく、でも温かい友情と愛の確認で幕を閉じました。
――それから数年後。王都の大聖堂で、盛大な結婚式が行われていました。
「うっ……ううっ……ロゼリアぁ……綺麗だよぉ……」
「マリー、泣きすぎですわ。データがブレてしまいますよ?」
ウェディングドレスを着た私は、控室で親友のマリーに笑いかけていました。純白のドレスは、マリーが開発してくれた光の糸で織られた特注品。動くたびに、ダイヤモンドダストのようにキラキラと輝きます。
「だってぇ……ロゼリアが……こんなに幸せになって……」
マリーはハンカチで鼻をかみました。そこへ、コンコンとノックの音が。
「ロゼリア。そろそろ時間だ」
扉を開けて入ってきたのは、白いタキシードに身を包んだキース様でした。騎士団長に昇進した彼は、以前よりもさらに逞しくて優しくなっていました。
「……綺麗だ。世界で一番」
「ふふっ。キースも素敵ですわ」
私たちは腕を組み、バージンロードへと歩き出しました。扉が開くと、そこにはたくさんの笑顔がありました。
最前列では、マリーがビデオカメラを回しています。その隣には、たまに遊びに来るルーカス王子がいます。
「おめでとう! やっぱり僕の方が似合うけどね!」
彼は冗談を言いながら花びらを撒いています。
学園の友人たちに先生たち。そして何より、この国の人々が私たちの結婚を祝福してくれていました。
神父様の前で、私たちは誓いの言葉を交わしました。
「健やかなる時も、病める時も……」
婚約者のアルベルト様を幼馴染のミナに奪われて、悲しかった日々が懐かしい。
全ての苦しみは、この瞬間のためにあったのかもしれません。だって、あんなことがなければ、私はキース様の本当の愛に気づけなかったのですから。
「誓います」
キース様が、私のベールを上げました。黒い瞳が涙で潤んだ私の瞳を見つめます。
「愛しているよ、ロゼリア。一生、君を守り抜く」
「私もです。愛しています、キース」
重なる唇。ステンドグラスから差し込む七色の光の中で、私たちは永遠の愛を誓いました。
(完)
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。応援してくださった皆様に心から感謝しています。本当にありがとうございました。
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