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第2章 幼子たちは、もふもふな子守役と出会う
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しおりを挟むいったい何がそんなに聞きたかったかと聞かれても、もちろん答えられない幼子たちは、そろって案内人の方をじっと見た。
それで悟ったのか、がっかりした声で案内人が答えた。
『はあ~、金目とは、どんな眼なのか聞きたかっただけなの…あと、不思議な呼び名のこともなの…
まさか、一つも聞いてなかったなんてなの…』
そんな様子はいつも通りとばかりに無視して、みかん色の昔馴染みの方が幼子たちに尋ねた。
『それで、金目については、聞いてもいいものなのね?歩きながらでいいから、お話聞きたいなのね。』
こくこくと頷いて、再び歩き出した幼子たちは話し始めた。
「きんめは、たまに、ひかってみえゆ、めでしゅ、ちちょうも、きんめだしょうでしゅ~」
「わふ、わふっ!(ぴかって、ひかる!)」
「ぴぴい、ぴっぴぴっ!(くらいとこ、みえる!)」
「そーでちた、きんめなや、はじめかや、くりゃいとこも、みえゆ、でちたね~
ちちょうも、いってまちた。
しじゅくたち、きんめなくて、じゃんねんでちたけど、じようじゅに、ちからちゅかって、みえゆようになって、よくやったって。
ほめてくりぇまちた~」
案内人たちは、幼子たちの話を聞いて、ポカンとしている。
『わふっ!(くらいへいき!)』
『ぴぴぴ~(くらくてもみえる!)』
「ゆちもかしゅみも、しゅぐにでちたものね、でもしじゅくは、さいちょたいへんでちた~」
キャッキャッと楽しげに思い出話をしている幼子たちに、案内人がぽつりとこぼした。
『…金目すごい、しかも守護者様の話なの…もっともっと聞きたいの、あとは呼び方のことも…
そう例えば他の長たち、特にこの巨木の長はどう呼ぶのか聞きたいの…』
話しかけたくてうずうずしだした案内人の様子を察した昔馴染みは、そのミカン色の大きな尻尾を振って幼子たちの注意を引くと、独り言のように言った。
『…そういえば、見回り中に、新しい水飲み場を見つけてたなのね~
あれは新しい穴の近くなのね~多分あなたたちの住む穴かしらなのね~
ほら、あれなのね~あなたたちがこれから毎日、飲むのにいいなのね~』
その言葉につられて、自分たちの住む穴となった空洞横に、水飲み場を見つけた幼子たちは、大喜びでその場に向かい、すぐさま水玉を作り始めた。
それから、ふと思い出したか、慌てて礼儀正しく並んで、みかん色の尻尾の持ち主に向かって、ぺこりと挨拶をした。
「おちえてくえて、ありあと、ごじゃましゅ、いたたちましゅ~」
「わふん…(ありがと~)」
「ぴぴい~(いただきます~)」
みかん色の尻尾主は、幼子たちのかっわいい挨拶をニコニコ見ていたが、しばらくしてその疲れた様子に気づいた。
『…水も飲んだことだし、あなたたちは、もう休んだ方がいいようなのね~
それとも、何か今すぐ聞きたいことがあるかしらなのね~?
何も思いつかないなら、あとは起きてから聞いてなのね~、ではおやすみなのね~』
そう言って、案内人を無視したまま、みかん色の尻尾で幼子たちを優しく穴の中へ追いやり、そのまま問答無用で休ませた。
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