金木犀

初めであり終わりでもある。

僕は死んでしまったのだろうか。僕はあの花名前も自分の名前さえも忘れてしまった。
気が付くと僕は暗い部屋の中に居た。それはまるで「孤独」を感じさせるような暗さだった。辺りには机と椅子、窓からは綺麗な見慣れた街並みがあった。花瓶には花が入っていた。どこかで見たことがある様な星型の花だ。秋に咲いていた記憶は微かにある。
僕はこの「孤独」な状況をどう切り抜けるかと考えることで必死で、ドアを開けるかと思い、また辺りを見回した。
見つかったのは細い針金など塵だった。
僕は細い針金を使って逃げ出すかこのまま助けを待つかどうしようかと考えた。
もし助けが来なかったならば僕は飢え死にをしてしまうのではないか。
でも僕は今、人間を信じれる程のゆとりは無く今にも泣き出してしまう程「恐怖」と「孤独」でいっぱいで、なんの躊躇も無くそばにあった花瓶で窓を破って出た。
「あの花は枯れてしまうのだろうか。」