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レンとリアの旅 〜過去編〜
リア、ライバル現る?! 4
ベロニカはここぞとばかりに、レンに胸を押し付けるように抱きついて、周囲へのアピールと牽制をする。
ベロニカたちがギルドの建物に入ってきた時、女冒険者だけでなく、ギルドの女性職員たちもレンへと熱い視線を送っていた。
ギルド内のその異様な雰囲気で、ベロニカもすぐにカウンターで手続きをしいているレンに気付いたわけだ。
そしてレンを狙っている女たちよりも先んじて親しいアピールをしたわけだ。しかし、まさかレンに連れがいるとは思っていなかった。レンは昔からソロの冒険者として有名で、ベロニカが出会った時もソロで活動していたからだ。
カウンターの前に立つレンに辿り着く前に、アメリアを押し除けたことは記憶の片隅にあるにはあるが、まさかそれがレンの連れだとは思ってもみなかった。今も変な言いがかりをつけられた程度にしか認識していなかったのだが。
「レンの知り合いだったんだね」
アメリアは目の前の光景から判断しただけで他意はない。他意はないのだが、安定の無表情で言うので、言われた方は色々と深読みしてしまうわけである。
「リア!ち、違う。いや、知ってはいるけど違うんだ!」
リアに勘違いされては困る!とばかりに、レンは口を開くが言い方が完全に浮気男の態度である。
「?知り合いなのに、何が違うの?」
レンが何に慌てているのかが、アメリアには全く分からない。
「ちょっとアンタ。さっきから何なのよ!人と話す時はフードを取りなさいよ」
この場で自分以外の女がレンを呼び捨てにしているのが癇に障ったベロニカは、リアのフードに手を伸ばした。
「ばっ!止めろ!」
バサリッ。
アメリアがいつもフードを被っているのは、レンの指示である。アメリアはフードを被ろうが外そうが別にどうでも良いのだ。
ベロニカから注意を受けたアメリアは、屋内でフードを被っているのは確かにマナー違反である。素直にそう解釈した。
アメリアに手を伸ばしたベロニカの手をレンが取り押さえてほっとした瞬間、あっさりと本人がフードを外してしまった。
ベロニカたちは悪目立ちしていて、騒動の行方が気になり、ギルド中の視線がレンたちに向いていた。
服装や声の雰囲気からアメリアが女性であると誰もが分かっていた。そして背丈と言動から、まだ子どもだろう、と思っている者もいた。
それがまさか!
フードを外したら美少女が姿を現すなんて!!
なんでこんな所に美少女が!?
予想外の美少女の登場で、冒険者やギルド職員だけでなく、ベロニカも言葉を失くす。レンだけが苦虫を噛み潰したような顔になっている。
「な、何よ、アンタ。レンとはどういう関係なのよ!」
アメリアの素顔に驚いただけで、別に見惚れていたわけではなかったベロニカはすぐに攻撃口調でアメリアに向かって言った。
美少女といっても、ベロニカとは違って色気皆無の子どもにしか見えない。だがレンとの関係は非常に気になるところ。早急に確認は必要である。
「え?もと「俺のパートナーだ!俺とリアはパーティーを組んでいる」・・・だそうです」
レンも必死である。
リアがなんて答えるのかなんて分かりきっている。
元指導担当者で旅の同行者。
悲しいが、リアの認識ではその程度だろう。だが、なんとかリアの言葉を遮って、そうしてベロニカがしたように、他の奴らを牽制するような言い方が出来た自分を褒めてあげたい。
俺は間違ったことは言っていない。その証拠にリアも否定はしていない。たぶん、誤解なくその言葉の通りにしか受け取っていないだろうが。
リアが言葉通りに受け取っても、この場にいる奴らはどう受け取るか。深読みしないまでも、リアに近づこうとしなければそれで良いのだ。
だが、アメリアが否定しなくとも、レンとアメリアの関係をベロニカが大声で真っ向から否定した。
「はぁあ!?こんな小娘がレンのパートナー?あり得ないわよっ!
しかもパーティーを組んでる?これが冒険者だっていうの!?冗談でしょう?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
ベロニカたちがギルドの建物に入ってきた時、女冒険者だけでなく、ギルドの女性職員たちもレンへと熱い視線を送っていた。
ギルド内のその異様な雰囲気で、ベロニカもすぐにカウンターで手続きをしいているレンに気付いたわけだ。
そしてレンを狙っている女たちよりも先んじて親しいアピールをしたわけだ。しかし、まさかレンに連れがいるとは思っていなかった。レンは昔からソロの冒険者として有名で、ベロニカが出会った時もソロで活動していたからだ。
カウンターの前に立つレンに辿り着く前に、アメリアを押し除けたことは記憶の片隅にあるにはあるが、まさかそれがレンの連れだとは思ってもみなかった。今も変な言いがかりをつけられた程度にしか認識していなかったのだが。
「レンの知り合いだったんだね」
アメリアは目の前の光景から判断しただけで他意はない。他意はないのだが、安定の無表情で言うので、言われた方は色々と深読みしてしまうわけである。
「リア!ち、違う。いや、知ってはいるけど違うんだ!」
リアに勘違いされては困る!とばかりに、レンは口を開くが言い方が完全に浮気男の態度である。
「?知り合いなのに、何が違うの?」
レンが何に慌てているのかが、アメリアには全く分からない。
「ちょっとアンタ。さっきから何なのよ!人と話す時はフードを取りなさいよ」
この場で自分以外の女がレンを呼び捨てにしているのが癇に障ったベロニカは、リアのフードに手を伸ばした。
「ばっ!止めろ!」
バサリッ。
アメリアがいつもフードを被っているのは、レンの指示である。アメリアはフードを被ろうが外そうが別にどうでも良いのだ。
ベロニカから注意を受けたアメリアは、屋内でフードを被っているのは確かにマナー違反である。素直にそう解釈した。
アメリアに手を伸ばしたベロニカの手をレンが取り押さえてほっとした瞬間、あっさりと本人がフードを外してしまった。
ベロニカたちは悪目立ちしていて、騒動の行方が気になり、ギルド中の視線がレンたちに向いていた。
服装や声の雰囲気からアメリアが女性であると誰もが分かっていた。そして背丈と言動から、まだ子どもだろう、と思っている者もいた。
それがまさか!
フードを外したら美少女が姿を現すなんて!!
なんでこんな所に美少女が!?
予想外の美少女の登場で、冒険者やギルド職員だけでなく、ベロニカも言葉を失くす。レンだけが苦虫を噛み潰したような顔になっている。
「な、何よ、アンタ。レンとはどういう関係なのよ!」
アメリアの素顔に驚いただけで、別に見惚れていたわけではなかったベロニカはすぐに攻撃口調でアメリアに向かって言った。
美少女といっても、ベロニカとは違って色気皆無の子どもにしか見えない。だがレンとの関係は非常に気になるところ。早急に確認は必要である。
「え?もと「俺のパートナーだ!俺とリアはパーティーを組んでいる」・・・だそうです」
レンも必死である。
リアがなんて答えるのかなんて分かりきっている。
元指導担当者で旅の同行者。
悲しいが、リアの認識ではその程度だろう。だが、なんとかリアの言葉を遮って、そうしてベロニカがしたように、他の奴らを牽制するような言い方が出来た自分を褒めてあげたい。
俺は間違ったことは言っていない。その証拠にリアも否定はしていない。たぶん、誤解なくその言葉の通りにしか受け取っていないだろうが。
リアが言葉通りに受け取っても、この場にいる奴らはどう受け取るか。深読みしないまでも、リアに近づこうとしなければそれで良いのだ。
だが、アメリアが否定しなくとも、レンとアメリアの関係をベロニカが大声で真っ向から否定した。
「はぁあ!?こんな小娘がレンのパートナー?あり得ないわよっ!
しかもパーティーを組んでる?これが冒険者だっていうの!?冗談でしょう?」
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