22 / 25
レンとリアの旅 〜過去編〜
リア、ライバル現る?! 5
こんな小娘。
ベロニカの言葉に、レンは『マズいっ!』と思った。
そんな言葉を面と向かって言われたら、リアが怒らないわけがない。襲いかかっていったわけではないから、流石のリアも投げ飛ばす事はしないだろう。
だがそんな事を言われて、リアが大人しくしているはずもない。レンはそう思ったのだが・・・。
「小娘。・・・大娘?」
なんとリアは、人差し指で自分を指し、小娘と呟いた。そして次にベロニカを指差して大娘、と首を傾げながら呟いたのだ。
「「「ぶはっ!」」」
リアの声は決して大きくはなかった。だが、今やギルドの建物内にいる人間たち全てから注目浴びている、と言っても過言ではないこの状態で、レンたちの会話に聞き耳を立てていた者は多かった。
「なっ!何なのよ、アンタ!人に向かって失礼じゃないの!」
疑問形ではあるが、大娘、と名指しされたベロニカは、自分が先にアメリアを小娘などと言ったくせに怒り心頭だ。
ここで怒るということは、つまりはアメリアに対しても侮辱するような意味で、" 小娘 "と言ったわけである。
しかし、アメリアはそうは受け取らなかった。いや、確かにちょっとは『ん?』となった。
けれど前世で『小娘が!』などと言われた事はない。まあ、誰しもそう滅多に言われるような言葉ではないと思う。だが、聞いた事ならばある。主にTVドラマの中で。
それが時代劇だったのか?それともお昼の時間帯のドラマだったのかは覚えていない。
どんなシーンで使われていたのかもはっきりとは覚えていない。覚えてはいないが、テレビの中で役者が言っていたのを聞いた事はある。
だが、何故、その言葉を私に?
だって、今日あったばかりの、ほんの数分前にあったばかりで、最初の会話で小娘?
小娘とは、十四、五歳の若い娘を指して言う言葉であるらしい。
アメリアは十六歳だ。小娘の規定からは外れているような気もするが、ベロニカとは初対面だし、どうやらアメリアは実年齢よりも下に見えるらしい。ならば、小娘と呼ばれるのもおかしくはないかもしれない。しかもまだお互いに自己紹介をしていない間柄だった。
" アンタ "とも呼ばれていた気もするけれど、年齢のことを考えればアメリアの事を小娘と呼ぶのも納得出来るような・・・。
あれ?
じゃあ、この人の事を私は何と呼べば良いのかな?
どう見てもアメリアよりも年上に見えるベロニカは小娘ではないだろう。
はて?小娘と同じような呼び方は他にもあるだろうか?と考えて、思いついたのが大娘であった。
別にアメリアはベロニカを貶めようとしたわけではない。口からぽろっと出た言葉ではあるが、ベロニカが、というよりは、ベロニカぐらいの年齢の人を" 大娘 "と呼ぶ事があるのだろうか?と考えただけである。
だが、まあ。言われた方は、年齢云々のことだとは思わないだろう。聞いた通りの(体の)大きな女と受け取るのが大半ではないだろうか。事実、アメリアの言葉を聞いて噴き出した者たちはそう受け取った。
ベロニカは、決して大女というわけではない。しかし、女冒険者ともなれば、一般の女性よりもしっかりした体型の者が多いのも事実だ。それに鍛錬を積んでいれば筋肉もつきやすい。
それを誇りに思いこそすれ、恥ずかしいなどと思うわけがない。だが、冒険者には全く見えない目の前の華奢な美少女に『大娘?』などと言われてしまえば、侮辱された、と思うのも仕方がない。まあ、返り討ちにあったとか、そんな感じではあるが。
「ねえ、レン!本当にこんな子がレンとパーティーを組んでいるっていうの?雑用係とかじゃないの。他にパーティーメンバーがいるんでしょう?」
こんな冒険者らしくない小娘が、S級冒険者のレンのパートナーなわけがない!
ベロニカの言葉を否定したのは、アメリアだった。
「失礼な。歴としたE級冒険者なんですけど?」
小娘呼びはカチンとこなかったが、雑用係には反応するアメリアである。
「ぷっ。あははは。嘘だよ、こんなのがあたしと同じE級冒険者って。本当なら全部、そのレンて人のお陰だろうね」
突然、リアの背後から女性にしては低めの声が聞こえてきた。どうやらベロニカの仲間の一人らしい。
あ。
今度こそヤバい。
やや空気となりかけていたレンは、リアを止めるべく動こうとした。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
ベロニカの言葉に、レンは『マズいっ!』と思った。
そんな言葉を面と向かって言われたら、リアが怒らないわけがない。襲いかかっていったわけではないから、流石のリアも投げ飛ばす事はしないだろう。
だがそんな事を言われて、リアが大人しくしているはずもない。レンはそう思ったのだが・・・。
「小娘。・・・大娘?」
なんとリアは、人差し指で自分を指し、小娘と呟いた。そして次にベロニカを指差して大娘、と首を傾げながら呟いたのだ。
「「「ぶはっ!」」」
リアの声は決して大きくはなかった。だが、今やギルドの建物内にいる人間たち全てから注目浴びている、と言っても過言ではないこの状態で、レンたちの会話に聞き耳を立てていた者は多かった。
「なっ!何なのよ、アンタ!人に向かって失礼じゃないの!」
疑問形ではあるが、大娘、と名指しされたベロニカは、自分が先にアメリアを小娘などと言ったくせに怒り心頭だ。
ここで怒るということは、つまりはアメリアに対しても侮辱するような意味で、" 小娘 "と言ったわけである。
しかし、アメリアはそうは受け取らなかった。いや、確かにちょっとは『ん?』となった。
けれど前世で『小娘が!』などと言われた事はない。まあ、誰しもそう滅多に言われるような言葉ではないと思う。だが、聞いた事ならばある。主にTVドラマの中で。
それが時代劇だったのか?それともお昼の時間帯のドラマだったのかは覚えていない。
どんなシーンで使われていたのかもはっきりとは覚えていない。覚えてはいないが、テレビの中で役者が言っていたのを聞いた事はある。
だが、何故、その言葉を私に?
だって、今日あったばかりの、ほんの数分前にあったばかりで、最初の会話で小娘?
小娘とは、十四、五歳の若い娘を指して言う言葉であるらしい。
アメリアは十六歳だ。小娘の規定からは外れているような気もするが、ベロニカとは初対面だし、どうやらアメリアは実年齢よりも下に見えるらしい。ならば、小娘と呼ばれるのもおかしくはないかもしれない。しかもまだお互いに自己紹介をしていない間柄だった。
" アンタ "とも呼ばれていた気もするけれど、年齢のことを考えればアメリアの事を小娘と呼ぶのも納得出来るような・・・。
あれ?
じゃあ、この人の事を私は何と呼べば良いのかな?
どう見てもアメリアよりも年上に見えるベロニカは小娘ではないだろう。
はて?小娘と同じような呼び方は他にもあるだろうか?と考えて、思いついたのが大娘であった。
別にアメリアはベロニカを貶めようとしたわけではない。口からぽろっと出た言葉ではあるが、ベロニカが、というよりは、ベロニカぐらいの年齢の人を" 大娘 "と呼ぶ事があるのだろうか?と考えただけである。
だが、まあ。言われた方は、年齢云々のことだとは思わないだろう。聞いた通りの(体の)大きな女と受け取るのが大半ではないだろうか。事実、アメリアの言葉を聞いて噴き出した者たちはそう受け取った。
ベロニカは、決して大女というわけではない。しかし、女冒険者ともなれば、一般の女性よりもしっかりした体型の者が多いのも事実だ。それに鍛錬を積んでいれば筋肉もつきやすい。
それを誇りに思いこそすれ、恥ずかしいなどと思うわけがない。だが、冒険者には全く見えない目の前の華奢な美少女に『大娘?』などと言われてしまえば、侮辱された、と思うのも仕方がない。まあ、返り討ちにあったとか、そんな感じではあるが。
「ねえ、レン!本当にこんな子がレンとパーティーを組んでいるっていうの?雑用係とかじゃないの。他にパーティーメンバーがいるんでしょう?」
こんな冒険者らしくない小娘が、S級冒険者のレンのパートナーなわけがない!
ベロニカの言葉を否定したのは、アメリアだった。
「失礼な。歴としたE級冒険者なんですけど?」
小娘呼びはカチンとこなかったが、雑用係には反応するアメリアである。
「ぷっ。あははは。嘘だよ、こんなのがあたしと同じE級冒険者って。本当なら全部、そのレンて人のお陰だろうね」
突然、リアの背後から女性にしては低めの声が聞こえてきた。どうやらベロニカの仲間の一人らしい。
あ。
今度こそヤバい。
やや空気となりかけていたレンは、リアを止めるべく動こうとした。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。
あなたにおすすめの小説
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
本当に現実を生きていないのは?
朝樹 四季
恋愛
ある日、ヒロインと悪役令嬢が言い争っている場面を見た。ヒロインによる攻略はもう随分と進んでいるらしい。
だけど、その言い争いを見ている攻略対象者である王子の顔を見て、俺はヒロインの攻略をぶち壊す暗躍をすることを決意した。
だって、ここは現実だ。
※番外編はリクエスト頂いたものです。もしかしたらまたひょっこり増えるかもしれません。
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
《完結》 どうぞ、私のことはお気になさらず
ヴァンドール
恋愛
実家の伯爵家では、満足に食事も取らせてもらえず毎日、使用人以上に働かされた。
そして縁談が来たと思ったら火遊び好きな侯爵の隠れ蓑としての婚姻だった。