元虐げられた公爵令嬢は好きに生きている。

しずもり

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レンとリアの旅 〜過去編〜

リア、ライバル現る?! 5



ベロニカの言葉に、レンは『マズいっ!』と思った。

そんな言葉を面と向かって言われたら、リアが怒らないわけがない。襲いかかっていったわけではないから、流石のリアも投げ飛ばす事はしないだろう。

だがそんな事を言われて、リアが大人しくしているはずもない。レンはそう思ったのだが・・・。


「小娘。・・・大娘?」


なんとリアは、人差し指で自分を指し、と呟いた。そして次にベロニカを指差して、と首を傾げながら呟いたのだ。


「「「ぶはっ!」」」

リアの声は決して大きくはなかった。だが、今やギルドの建物内にいる人間たち全てから注目浴びている、と言っても過言ではないこの状態で、レンたちの会話に聞き耳を立てていた者は多かった。

「なっ!何なのよ、アンタ!人に向かって失礼じゃないの!」


疑問形ではあるが、、と名指しされたベロニカは、自分が先にアメリアをなどと言ったくせに怒り心頭だ。

ここで怒るということは、つまりはアメリアに対しても侮辱するような意味で、" 小娘 "と言ったわけである。

しかし、アメリアはそうは受け取らなかった。いや、確かにちょっとは『ん?』となった。

けれど前世で『小娘が!』などと言われた事はない。まあ、誰しもそう滅多に言われるような言葉ではないと思う。だが、聞いた事ならばある。主にTVドラマの中で。


それが時代劇だったのか?それともお昼の時間帯のドラマだったのかは覚えていない。
どんなシーンで使われていたのかもはっきりとは覚えていない。覚えてはいないが、テレビの中で役者が言っていたのを聞いた事はある。


だが、何故、その言葉を私に?


だって、今日あったばかりの、ほんの数分前にあったばかりで、最初の会話で小娘?


小娘とは、十四、五歳の若い娘を指して言う言葉であるらしい。
アメリアは十六歳だ。小娘の規定からは外れているような気もするが、ベロニカとは初対面だし、どうやらアメリアは実年齢よりも下に見えるらしい。ならば、小娘と呼ばれるのもおかしくはないかもしれない。しかもまだお互いに自己紹介をしていない間柄だった。


" アンタ "とも呼ばれていた気もするけれど、年齢のことを考えればアメリアの事を小娘と呼ぶのも納得出来るような・・・。

あれ?
じゃあ、この人の事を私は何と呼べば良いのかな?

どう見てもアメリアよりも年上に見えるベロニカは小娘ではないだろう。

はて?小娘と同じような呼び方は他にもあるだろうか?と考えて、思いついたのがであった。

別にアメリアはベロニカを貶めようとしたわけではない。口からぽろっと出た言葉ではあるが、ベロニカ、というよりは、ベロニカぐらいの年齢の人を" 大娘 "と呼ぶ事があるのだろうか?と考えただけである。


だが、まあ。言われた方は、年齢云々のことだとは思わないだろう。聞いた通りの(体の)大きなと受け取るのが大半ではないだろうか。事実、アメリアの言葉を聞いて噴き出した者たちはそう受け取った。

ベロニカは、決して大女というわけではない。しかし、女冒険者ともなれば、一般の女性よりもしっかりした体型の者が多いのも事実だ。それに鍛錬を積んでいれば筋肉もつきやすい。

それを誇りに思いこそすれ、恥ずかしいなどと思うわけがない。だが、冒険者には全く見えない目の前の華奢な美少女に『大娘?』などと言われてしまえば、侮辱された、と思うのも仕方がない。まあ、返り討ちにあったとか、そんな感じではあるが。


「ねえ、レン!本当にこんな子がレンとパーティーを組んでいるっていうの?雑用係とかじゃないの。他にパーティーメンバーがいるんでしょう?」


こんな冒険者らしくない小娘が、S級冒険者のレンのパートナーなわけがない!

ベロニカの言葉を否定したのは、アメリアだった。


「失礼な。歴としたE級冒険者なんですけど?」


小娘呼びはカチンとこなかったが、雑用係には反応するアメリアである。

「ぷっ。あははは。嘘だよ、があたしと同じE級冒険者って。本当なら全部、そのレンて人のお陰だろうね」

突然、リアの背後から女性にしては低めの声が聞こえてきた。どうやらベロニカの仲間の一人らしい。


あ。
今度こそヤバい。


やや空気となりかけていたレンは、リアを止めるべく動こうとした。



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