元虐げられた公爵令嬢は好きに生きている。

しずもり

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レンとリアの旅 〜過去編〜

リアと告白 1

「~それでリアさんっ!付き合って下さいぃっ!!」


 冒険者ギルドではいつも賑やかで隣同士でさえ、大声で話さなければ聞こえない筈の会話が、いつもと違って建物の中で響き渡った瞬間だった。


 駆け出しの冒険者である若者の言葉は、いつもは話しかけなくても勝手に会話に割り込んでくるような陽気な冒険者も、年長者の有難い言葉を垂れ流したいだけの冒険者たちもピタリ黙らせるには十分な破壊力があった。


但し、言った本人と、言われたアメリアを除いて。

 若者の言葉で静かになった冒険者たちの視線はー。

言葉を発した若者でも告白されたアメリアでもなく、彼女アメリアの背後で守護霊どころか、悪霊にでもなりそうな気配のレンに向けられていた。


 二人はメリトの街を出た後、ティモテ王国に入国した。そして冒険者ギルドのあるこの街に来てからひと月が経とうとしている。

相変わらずことの多いアメリアだが、ひと月も経てば周囲の者は二人の関係を察するようになった。

最初は希望的観測も含めて『師匠と弟子』、『兄と妹』などと思いたかった。だがそうじゃない。


レンこのひとリアあの子に対する過保護っぷりは半端ねぇ~!!


そう茶化して、いや、心を誤魔化して、アメリアとお近付きになりたい冒険者おとこどももそれなりにいたのだ。

だが、直ぐに嫌でも察せざるを得ないに気付く事になる。

というか、これを察する事が出来なければ、己の命など風前の灯である事にも気付かず、によって葬り去られることは確実である。
『魔王とは?』なんて、皆で答え合わせする必要もない。まぁ、皆の頭の中に浮かぶ人物はただ一人である。


ぶっちゃけ、レンのリアに近寄る者への牽制は相当だ。
二人が滞在してひと月も経てば、軽い気持ちでも、真剣な気持ちだったとしても、『リアに告白しよう』などと思う命知らずな者はいない。・・・いなくなった、が正しいのだが。


だが、しかし!


今まさに魔王レンの目の前に命知らず勇者が現れたのだ!


怖いっ!怖すぎる!!


自分の事ではないのに、何故、自分たちが怯えなければならないのか?


ただのギャラリーに過ぎない周囲の者たちは、レンから発せられる圧に平伏したい気持ちになる。

レンの背後にドス黒い何かが見えるような気がしてきた。


たぶん、レンのこの威圧に気付いていない者は若者とリアぐらいのものだろう。

 違う意味で一世一代の告白となりそうな若者は、緊張している為に気付いていないのだろう。だが、『何故、リアがこの恐ろしい威圧に気付かないのか?全く理解不能だ』と周囲の者たちは不思議に思う。

なのか?それとも彼女がそれ以上の大物なのか?


恐怖に怯えながらも、リアの返事と若者の行く末を案じて一同が固唾を飲んで見守る。

若者が告白してから三十秒、一分と時間が過ぎていく。

周りの者からすればもう十分すぎる時間が経ったようにも思うが、実際には告白されたアメリアが大きく瞬きしてから小首を傾げた程度の僅かな時間しか経っていない。
そしてどうやらその短い間にアメリアは答えを出したようである。

「うん。いいよ」

アメリアは珍しく笑顔を見せ、若者に向かって返事をしたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーー


ここまでお読み下さりありがとうございます。

「いいね」やエールでの応援もいつもありがとうございます。


お久しぶりです。
一年以上ぶりの更新となりました。
元々、不定期更新のつもりで投稿を始めたのですが、少々ではなく、かなり放置したままになっていました。すみません。
これからも不定期更新にはなりますが、更新頻度はもう少し多くしていく予定ですので、よろしければお付き合いください。







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