勇者の呪いと悪役令嬢〜貴女の所為で隠しキャラが出てこない!と言われましても困ります〜

しずもり

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「昔、大昔、この国の建国した時の話から始めましょう」

いえ、だから、どうして私の返事を待たずに話を進めるのです?

あぁ、もうっ!本当に親子ソックリですわね!

しかも、一番最初になどという最凶ワードからぶっ込んでおいて、建国史へといきなりシフトしちゃいます?

「なぁに、そんなに構えることはありませんよ、レイブン公爵令嬢。

我がロビンソン辺境伯家が建国以来続いている家というだけの話です。それはレイブン公爵家も同じでしたな」


辺境伯様はそう言ってから、エリーの入れたお茶を飲み『美味いっ!』と大きな声で(本人にはそういう意識はないのでしょうけれど)アナキンの隣に立つエリーに爽やかな笑顔を向けた。

笑顔だけ見ると恋愛小説に出てくるという枠に入るのでしょうけれど。
服にね、ベットリと魔物の返り血が付着している時点で微妙にイケおじ枠から外れると思うの。

この方、確実に脳筋枠ですわよね。


「令嬢も知っているだろうが、我がロビンソン辺境伯家は勇者の血を引く一族と言われているがそれは本当の話なんですよ。
そして魔王を倒した勇者のパーティーの内の一人がこの国の初代国王となったと言われておりますな。
建国に際し、勇者が辺境の護りを任されることになった、というのが我が家です」

あぁ、それはもちろん知っています。幼少の頃に最初に習うこの国の成り立ちについてですから。

ただその話も初代国王になった方の話を中心に習うので、正直に言えば、勇者を含むパーティーメンバーだった聖女や賢者がどの貴族家の初代になったのかまでは覚えていない人は多いでしょう。
どの家も血筋をひけらかすようなたちではありませんから『今では知る人ぞ知る』なのではないでしょうか。

そもそも今の時代に、勇者だ、聖女だ、なんて騒ぐ人もいないでしょう。

未だ魔物はこの世界から絶滅することはありませんが、勇者の助けを必要とするような魔王が誕生することはもうありません。それはこの国の建国以来一度も、です。


「勇者だった初代様は西の辺境の地を生涯護り続けながらも、晩年は子や孫に囲まれて穏やかな人生を終えたのだそうです。

初代様は子や孫に魔王討伐の旅の話を聞かせていたのでしょうなぁ。若しくはせがまれて話して聞かせていたのか。
勇者本人から語られる話は、子ども心には心躍らせる魅力的な冒険譚となっていたのだと思います。

初代様の孫でありロビンソン辺境伯家の三代目当主は、勇者であった祖父に強く憧れ、自らも『勇者になりたい!』と思ったのだそうです。

いつかは勇者に、そう思いながら成長し、当主になった後でも勇者になる事を夢を見て、それは当然のことですが叶う事は無かった。

三代目の最期の言葉は『勇者になりたかった』だそうです。

それからなんですよ。ようになったのは」


「で、出る、とは?」


つ、ついに反応してしまいましたわ!

正直、三代目の最期の言葉は微妙よ?

だけど、それから何かがようになってしまったのでしょう?

今の話の流れでいったら、のはきっと、、、。


「えぇ、そうです。それから我がロビンソン辺境伯家の者の中で、『勇者になりたい』だとか『旅に出なければ!』などと言い出して、ある日突然辺境伯領を飛び出して行く者がようになったのは」


って、そっちですのぉ~!?


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