婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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覚醒

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「エレーナ」
体が浮いた様になった時、カイルが私を庇うように抱き留めてくれました。


このまま2人とも死んでしまうのかしら?
ああ、カイルだけでも助けてあげたい。

そう思った瞬間、眩しい光が手元から沸き出しました。
「え?」
「なんだ?」

頭の中で声が聞こえます。
〈エレーナ指輪をしてね〉
お母様?
私は素早く指輪を出して、右手の指に嵌めました。

すると、光はどんどん強くなり馬車を飲み込んでいきます。
そして馬車を包んだ光がまるでシャボン玉のように周りを囲んで崖の下へゆっくり着地させました。


「どういう事だ?
地面に叩きつけられて馬車がバラバラになるかと思ったのに…」

カイルも驚いて、思考が止まっています。

私も何が何だか分からないで放心してしまっていると、
「え? エレーナ?
君 エレーナだよな?」

「カイル 何言ってるの?」

「だって、君の髪… それに顔も」

私は自分の髪を掴んで見下ろすと、そこにはいつもの栗色ではなく、蜂蜜色に輝く髪が見えました。

「え? 私の髪がなんで?」

「どういう事だ? エレーナ何かしたのか?」

「私は咄嗟にこの指輪を嵌めただけよ。
死ぬかもしれないって思ったら指輪をしなさいってお母様の声が聞こえて…」

「この指輪は!
そうか、エレーナ 君が聖女様の血筋を受け継ぐ者だったんだな
君は聖女に覚醒したんだ」

「カイル何言ってるの?」

カイルの言っている意味がよく分かりません。

聖女の血を受け継ぐって何?
カイルはこの指輪を知っているの?

「取りあえず、この場から遠ざかる方が先だな
後でゆっくり話すよ」

そう言ってカイルはドアを何とか開けて、周りの様子を伺いました。

「流石にワーウルフは崖から落ちて来なかったみたいだ
馬の様子を見てくるよ」

私もそっと馬車から降ります。
崖下はとても幅の広い平らな道のようです。
道の真ん中に細い川が流れていました。

私は川に近づき顔を洗おうとしました。
そこに映っていたのは、見知らぬ顔の少女でした。
「え? 誰?」

蜂蜜色の髪に、瞳は虹のような輝きをたたえていました。
元の私より、数段美形な顔。
知らない少女を見ながら、改めてカイルの言っていた事を思い出しました。

聖女様は虐げられて、パルフィートへ逃げて来た。
聖女様を酷い目にあわせた国ってどこの国だったの?

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