婚約破棄された悪役令嬢が実は本物の聖女でした。

ゆうゆう

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聖女マリナ

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パルフィート国の都ランパルドル
へ着きました。

国境の町より、大きくてはるかに華やかな町です。

町の中心部を抜けて、少し静かな郊外に差し掛かったあたりに大きな教会がありました。

教会の前に馬車は止まり、カイルに声を掛けられました。

「エレーナ着いたよ。
この教会の敷地内の邸にマリナ様は住んでいるんだ」

なんだか、緊張してきました。
聖女様ってどんな方なのかしら?

私は不安と期待の混じった落ち着かない気分で、聖女様の邸に向かいます。
邸に着くとカイルが、使用人に面会を求めています。

邸内の部屋に通され、少し待っているとドアが開き、入ってきたのはとても穏やかな雰囲気を持った美しい女性でした。
見た目からは亡くなったお母様と同じ位に見えました。

「カイルお疲れ様でした。
見つかったのですね」
聖女様はそう言いながら、私を見つめていました。

「マリナ様、こちらはエレーナ嬢です。
旅の途中で覚醒されて聖女だったことが発覚したのです」
カイルはここに来ることになった事をかい摘まんで話しました。

「エレーナさん指輪を見せてくれますか?」

「は、はい」
私は指輪を嵌めた右手を差し出します。
マリナ様は私の手を取り指輪を見詰めています。

「間違いありません、シェリーに渡した指輪です」

「母をご存知なんですか?」

「ええ、エレーナ私はあなたの大叔母に当たります。
シェリーの母親の妹です」

「おばあ様の妹?
失礼ですが、それにしてはお若く見えるのですが?」

「そうね… 聖女の時間の流れは普通の人と違う様なのです」
マリナ様曰く、普通の人間の倍以上の時間を使えるそうで、年の取り方も半分くらいらしい。

「では、私と聖女様は本当に血の繋がりがあるのですか?」

「ええ、私はもともとアランソル王国の出身なのよ
あなたの事はずっと気になっていたの。
私のある理由でここ数年カイル達に頼んであなたを探してもらっていたのよ」

「そうだったんですか…
でも、私が修道院へ送られる事がなければ、カイルに会う事はなかったと思うのですが…」

「そうね。でも、これは必然だとおもいますよ。
私の時もそうだったから…
時がくれば分かると思っていたの」


聖女様はこれからゆっくり教えてくれると言われました。

でも、今は自分と血の繋がった人に会えてとても嬉しいです。
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