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なぜ?探すのか
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「エレーナ嬢の親族の方にはあまり気分のいい話ではないかもしれないのですが…」とパドックは申し訳なさそうに、話し出しました。
隣の小部屋から聞いていた私は、まるで物語でも聞いているように、自分に起きた筈の話を聞いていました。
それだけ、客観的に話を聞いていたのでしょうか…
大叔母様が言う通り私の心の傷は癒えている証拠かもしれません。
隣で一緒に聞いていたカイルが心配したのか肩に手を置いてきました。
私は大丈夫の意味で微笑み頷きました。
バイロン様を見ると、緊張した様な強張った顔で固まっています。
やはり自分が仕出かした話をされるのは気まずいですよね。
私が城を出てからの話を聞くことが出来たのはよかった。
前にカイルが調べてくれた話と大きく違う事はなかったけれど、アランソルの王宮に近い人に詳しい話を聞ける事はありがたかった。
そして、お父様が私の事を心配し悲しんでくれた事は心の底から嬉しかった。
「そんな訳で、エレーナ嬢の行方はわからないままなのですが、エレーナ嬢を調べる過程で聖女様との繋がりが分かりましたので、もしかしたらエレーナ嬢もその力が宿っていて無事なのではないかと万に一つの可能性のもと、こうして捜索に当たっております」
パドックは話を進めながらもマリナ様の様子を観察しているように、彼女から目を離さなかった。
「はぁー、そんな事になっていたのですか… 相変わらずアランソルの王族は自分勝手な行動をなさいますね」
マリナ様はため息と共に批判とも取れるような事を言います。
「返す言葉もありませんが、1つだけ弁解するならば、エレーナ嬢の義妹が殿下を魅了の力で操らなければ、このようなひどい結果にはならなかったでしょう。
彼女は侯爵である義父に対しても力を使っています。
今は力を封印され、修道院の塔に幽閉されました。
それでエレーナ嬢にした行いを無かったことには出来ませんが、もう彼女に害をなす者はアランソルにはいません」
パドックは、まるでエレーナに聞かせるように宣言をする。
それを聞いて思案したマリナ様はいきなりバイロン様に向き直り、言いました。
「エレーナを追い出したあなたがエレーナの捜索に加わっている。意図はなんですか?」
急に自分に向けられた質問に、バイロンは反応が遅れた。
しかし、直ぐに立て直して口を開いた。
「確かに、私はエレーナを追放しました。
しかしあの時の自分はどうかしていたのです。
私の所為で死なせてしまったかもしれないと思ったら、いてもたってもいられず、こうして捜索隊の中に加わったのです。
もしエレーナが無事でいてくれたら、心から謝罪をしたい。
もう私は王族ではありません。
なので婚約者に戻ることはありませんが、一緒にアランソルに戻ってもらいたいのです」
バイロンはしっかりマリナ様の目を見て言い切った。
隣の小部屋から聞いていた私は、まるで物語でも聞いているように、自分に起きた筈の話を聞いていました。
それだけ、客観的に話を聞いていたのでしょうか…
大叔母様が言う通り私の心の傷は癒えている証拠かもしれません。
隣で一緒に聞いていたカイルが心配したのか肩に手を置いてきました。
私は大丈夫の意味で微笑み頷きました。
バイロン様を見ると、緊張した様な強張った顔で固まっています。
やはり自分が仕出かした話をされるのは気まずいですよね。
私が城を出てからの話を聞くことが出来たのはよかった。
前にカイルが調べてくれた話と大きく違う事はなかったけれど、アランソルの王宮に近い人に詳しい話を聞ける事はありがたかった。
そして、お父様が私の事を心配し悲しんでくれた事は心の底から嬉しかった。
「そんな訳で、エレーナ嬢の行方はわからないままなのですが、エレーナ嬢を調べる過程で聖女様との繋がりが分かりましたので、もしかしたらエレーナ嬢もその力が宿っていて無事なのではないかと万に一つの可能性のもと、こうして捜索に当たっております」
パドックは話を進めながらもマリナ様の様子を観察しているように、彼女から目を離さなかった。
「はぁー、そんな事になっていたのですか… 相変わらずアランソルの王族は自分勝手な行動をなさいますね」
マリナ様はため息と共に批判とも取れるような事を言います。
「返す言葉もありませんが、1つだけ弁解するならば、エレーナ嬢の義妹が殿下を魅了の力で操らなければ、このようなひどい結果にはならなかったでしょう。
彼女は侯爵である義父に対しても力を使っています。
今は力を封印され、修道院の塔に幽閉されました。
それでエレーナ嬢にした行いを無かったことには出来ませんが、もう彼女に害をなす者はアランソルにはいません」
パドックは、まるでエレーナに聞かせるように宣言をする。
それを聞いて思案したマリナ様はいきなりバイロン様に向き直り、言いました。
「エレーナを追い出したあなたがエレーナの捜索に加わっている。意図はなんですか?」
急に自分に向けられた質問に、バイロンは反応が遅れた。
しかし、直ぐに立て直して口を開いた。
「確かに、私はエレーナを追放しました。
しかしあの時の自分はどうかしていたのです。
私の所為で死なせてしまったかもしれないと思ったら、いてもたってもいられず、こうして捜索隊の中に加わったのです。
もしエレーナが無事でいてくれたら、心から謝罪をしたい。
もう私は王族ではありません。
なので婚約者に戻ることはありませんが、一緒にアランソルに戻ってもらいたいのです」
バイロンはしっかりマリナ様の目を見て言い切った。
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