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ある日、実家から急用だと知らせが来て、急遽戻る事になったテッド。
「すみません、お嬢さん今度はちょっと長くなるかもしれません」
いろいろ忙しくなった中、ここを離れなくてはならなくなったテッドはとても恐縮していた。
「気にしないでテッド、気を付けて行ってらっしゃい」
私は安心させる様に笑顔で承諾する。
テッドが戻る時はいつも寂しいけど、それではいけないのよね。
早く彼がいなくても自信を持ってやっていける様にならないと。
「ドミニクさん、後をお願いします。
お嬢さん、ワグナー共和国との取り引きが上手くいくように祈ってますよ」
そう言ってテッドは帰っていった。
次に彼と会う時は、胸を張って仕事の成功の話をしたい。
テッドがいなくても、もう大丈夫だと言ってあげないと、いつまでも心配させてしまうものね。
「さあ、テッドをびっくりさせる程に完璧にやり遂げましょう」
ちょっと空元気ぎみだけど、ドミニクに宣言して2人で仕事に戻りました。
◇◇◇◇◇◇
ワグナー共和国から正式な取り引きの申し込みがきたのはテッドがいなくなってすぐの事。
それと同じ頃にテオバルド様からも向こうの様子や私が準備しておいた方がいい事柄などのアドバイスを頂き、ドミニクと忙しく準備を進めていく日々。
出来上がりの商品もいくつか増やす為にメルビさんと打ち合わせをしたり、王都の令嬢たちにも手紙で注文品の出来上がり時期やこれからの宣伝に対するお願いなどを認めて送ったり、
この国での特許申請など、やることは山積みだった。
そんな忙しい日々を送っていたある日
「リディアーヌ様大変です!
ドミニクさんが!」
役場のマリーさんが大慌てで飛び込んで来ました。
「マリーさんドミニクがどうしたの?」
「船の積み荷が崩れて、巻き込まれたんですよ」
「何ですって!!」
私はマリーさんと急いで、港近くの病院へ向かいました。
病室へ案内されると、私の顔を見るなり、ハッとするドミニク。
「お嬢様すいません、テッドさんもいないこんな時に…くっ…」
真っ青な顔のドミニクが痛みを吐き出すように言う。。
「何言ってるんですか!
もう!」
ベッドから起き上がろうとするドミニクを看護婦さんと一緒に押さえつける。
丁度その場にいたお医者さまに怪我の具合を聞くと、
幸いにもドミニクは命に関わる怪我ではなかったものの、脚と背中をひどく痛めていました。
「はぁー… 無事でよかった本当に… 良かった…」
ドミニクの無事を確認出来て、ほっとしました。
「当分は安静にしててくださいね。
特に背中の打撲が酷いですから勝手に起き上がらない様に」
お医者さまはそう言うと部屋を出ていかれました。
「でもどうしましょう、来週にはワグナー共和国へ行く予定だったのに」
ドミニクは痛さに顔を歪めながら、申し訳なさそうに切り出しました。
そうよね。
これではドミニクが行くのは無理だわ
「……」
しばし考える私
「決めたはわ!
ワグナー共和国へは私が行く。
お父様には手紙で報告しておくわ」
「大丈夫ですか?
旦那様はお許しになるでしょうか?」
心配するドミニク。
私もちょっと不安だったけど、お父様にはワグナー共和国との取り引きの話しは事前に報告済みだ。
ドミニクの事故は不測の事態だもの。
そうドミニクにも言うと、
「本当にすいません」
それでも落ち込んでるドミニク。
「いやだ、ドミニクの所為ではないでしょう?
いい?
ちゃんとゆっくり休むのよ」
いっぱい言い聞かせて、私は病院を後にすると、急いで自室でお父様に手紙を認めました。
さぁ!旅の支度だわ!
そうだ、出発前にはテオバルド様にも手紙を出さなくちゃね。
やっと顔が見れるのかもしれない…
いや、絶対会えるんだから、見れるわよね私の旦那の顔…。
「すみません、お嬢さん今度はちょっと長くなるかもしれません」
いろいろ忙しくなった中、ここを離れなくてはならなくなったテッドはとても恐縮していた。
「気にしないでテッド、気を付けて行ってらっしゃい」
私は安心させる様に笑顔で承諾する。
テッドが戻る時はいつも寂しいけど、それではいけないのよね。
早く彼がいなくても自信を持ってやっていける様にならないと。
「ドミニクさん、後をお願いします。
お嬢さん、ワグナー共和国との取り引きが上手くいくように祈ってますよ」
そう言ってテッドは帰っていった。
次に彼と会う時は、胸を張って仕事の成功の話をしたい。
テッドがいなくても、もう大丈夫だと言ってあげないと、いつまでも心配させてしまうものね。
「さあ、テッドをびっくりさせる程に完璧にやり遂げましょう」
ちょっと空元気ぎみだけど、ドミニクに宣言して2人で仕事に戻りました。
◇◇◇◇◇◇
ワグナー共和国から正式な取り引きの申し込みがきたのはテッドがいなくなってすぐの事。
それと同じ頃にテオバルド様からも向こうの様子や私が準備しておいた方がいい事柄などのアドバイスを頂き、ドミニクと忙しく準備を進めていく日々。
出来上がりの商品もいくつか増やす為にメルビさんと打ち合わせをしたり、王都の令嬢たちにも手紙で注文品の出来上がり時期やこれからの宣伝に対するお願いなどを認めて送ったり、
この国での特許申請など、やることは山積みだった。
そんな忙しい日々を送っていたある日
「リディアーヌ様大変です!
ドミニクさんが!」
役場のマリーさんが大慌てで飛び込んで来ました。
「マリーさんドミニクがどうしたの?」
「船の積み荷が崩れて、巻き込まれたんですよ」
「何ですって!!」
私はマリーさんと急いで、港近くの病院へ向かいました。
病室へ案内されると、私の顔を見るなり、ハッとするドミニク。
「お嬢様すいません、テッドさんもいないこんな時に…くっ…」
真っ青な顔のドミニクが痛みを吐き出すように言う。。
「何言ってるんですか!
もう!」
ベッドから起き上がろうとするドミニクを看護婦さんと一緒に押さえつける。
丁度その場にいたお医者さまに怪我の具合を聞くと、
幸いにもドミニクは命に関わる怪我ではなかったものの、脚と背中をひどく痛めていました。
「はぁー… 無事でよかった本当に… 良かった…」
ドミニクの無事を確認出来て、ほっとしました。
「当分は安静にしててくださいね。
特に背中の打撲が酷いですから勝手に起き上がらない様に」
お医者さまはそう言うと部屋を出ていかれました。
「でもどうしましょう、来週にはワグナー共和国へ行く予定だったのに」
ドミニクは痛さに顔を歪めながら、申し訳なさそうに切り出しました。
そうよね。
これではドミニクが行くのは無理だわ
「……」
しばし考える私
「決めたはわ!
ワグナー共和国へは私が行く。
お父様には手紙で報告しておくわ」
「大丈夫ですか?
旦那様はお許しになるでしょうか?」
心配するドミニク。
私もちょっと不安だったけど、お父様にはワグナー共和国との取り引きの話しは事前に報告済みだ。
ドミニクの事故は不測の事態だもの。
そうドミニクにも言うと、
「本当にすいません」
それでも落ち込んでるドミニク。
「いやだ、ドミニクの所為ではないでしょう?
いい?
ちゃんとゆっくり休むのよ」
いっぱい言い聞かせて、私は病院を後にすると、急いで自室でお父様に手紙を認めました。
さぁ!旅の支度だわ!
そうだ、出発前にはテオバルド様にも手紙を出さなくちゃね。
やっと顔が見れるのかもしれない…
いや、絶対会えるんだから、見れるわよね私の旦那の顔…。
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