光と影はいつも側に

mahiro

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「店の店員が何で国のお偉いさんに頼まれるんだよ。お抱えの人くらい別にいるだろ」

 
「うーん、いるとは思うんだけど、この国で魔法を使える人が限られてるからみたいだよ」


疑問に思うところも人間と同じなんだね。
こうして会話してても『魔物』と話している気がしないなぁ、と思いながら右手を制御装置に翳した。
そして右手に力を溜め一気に力を解放させ、新たな制御装置を付け替えた。

次の瞬間、肩から下にあった氷が一瞬にして砕け散った。


「え、あれ?何で?」


制御装置しか触っていないのに何で氷が?


「そんなの俺が知りたい」


いや、俺も知りたいんだけどね、って内心思いつつ、氷から出てきた『魔物』の全身を眺めてみる。
皮膚の色は人間と何ら変わらない。
服装は薄い布を何枚か重ねたものを紐で絞ったような格好で、時代を感じてしまう。

手足も人間と全く同じで俺の知る『魔物』とはほど遠い。


「………一体、何者なの?」
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