光と影はいつも側に

mahiro

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行ってきて、と軽く言われて行けるものじゃないんだけど、ただの商人が国のお偉いさんにノーとは言えないなぁ。


「………分かりました。やれるだけやってみます」


「おう、頼むわ」


それだけ言ってカルロス陛下は退室し、俺は広い部屋に取り残された。
さて、どうしたものか。
やってみますとは言ったものの、そもそもジル君が協力したくないって言ったらどうしよう。
店から出たくないって言ったら………。

ううん。
いくら考えたって、なるようにしかならないんだから、やるだけやってみよう。
やってみてダメなら他の方法を探るしかないよね。


「よし」


気合いを入れて店に戻れば、いつもと変わらない情景が広がっていた。
俺がジル君の側に居なくても大丈夫だったみたいだね。


「あれ、早かったな。ジョエル」


俺に気付いたフランソワ君が駆け寄ってきて、小声でどうだった?と訊ねてきた。


「どうって………おつかいを頼まれただけだよ」
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