きっと、あなたは知らない

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「散々言いたいことを言ったりやったりしてますけど、何だかんだ言って尊敬はしてますし、叶わないとも思ってます」　


私も強く当たったり、結構酷い仕打ちを平松にしてる自信はあるけど、似た感情にはなれないな。
それにしても平松が浜砂に恋を教えるとか想像つかない。
逆ならいくらでも思い付くけども。


「そうなんだ……。平松のことは置いておいて、その人とはどうなの？良い関係なの？」


「悪くはないです。ですが、その人は俺のことをただの後輩としか見ていないと思います」


「先輩なんだ」


「はい。可愛らしい先輩です」


羨ましい、その人。
その人になりたいわ、切実に。
でも、平松が知っている人物で浜砂より先輩ってことは、私と同じ年の人か一つ上の人。
部活にどれだけ該当者がいるか知らないけど、可愛い人であると。
でも、面倒そうな性格の持ち主なんだよね。


「その人って私の知ってる人？」


私がそう訊ねると、浜砂は微笑を浮かべた。


「えぇ。よくご存じかと」