オレに触らないでくれ

mahiro

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優しさをオレにも下さい

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それから暫くして春を迎えた。
日夏が小学1年生となり、幸輝は中学1年生となった。
幸輝は今まで通っていた空手道場に通うのを止め、中学にある空手部へ入部した。
朝練が毎日ある関係でオレと日夏の行動時間と異なり、顔を合わせるのが夜だけになりオレとしては寂しいのだが新しい学校生活が楽しいのか、幸輝の表情は生き生きしているように見える。
日夏はというとあれからオレの服を握ることは出来るようになった。
オレから降れようとしたり、オレに直接触れることにはまだ抵抗があるみたいだが、最初に比べたらだいぶ良くなったと思う。
オレの他の男の人たちは、少人数でのやり取りでなければ問題なく接することは出来るようだ。
これはもう、日夏の頑張りとしか言えないと思う。

オレはというと二年に無事進級し宮永と峯岸、杉本と同じクラスとなった。
あぁ、そうそう。
進級と大体同時期に峯岸と杉本の両親が再婚して杉本の名前が【杉本葵】から【峯岸葵】となったんだよな。
ついに二人とも結婚したか、とオレは思って葵にそれを言ったら顔を真っ赤に染めながら肩を叩かれた。
これからの内容は葵には内緒だが、実はご両親の再婚に璃生が絡んでいたりする。
それは何かというと、四人が同居し始めて暫く経った頃からご両親二人は再婚を考えていたらしい。
けれど、やはり葵と璃生のことや以前の結婚のことを考えて果たして再婚という形を取って良いのかと悩まれていたと。
璃生の父さんは璃生に辛い経験をさせてしまったことがあって、まだ家族の信頼を得られているかさえ分からない状況で、また新たな一歩を踏み出してしまって大丈夫なのかと躊躇していたらしい。
そんな二人に璃生は。


「葵も俺も二人の再婚を最初から望んでる」


そう伝えたらしい。
ここで両親がその話を聞いて再婚へ踏み出した、という話なら素敵な話で終わると思うが、違う。
峯岸璃生という男はそれだけで終わるわけがない。


「二人の再婚を心から祝福する。その代わり二人には俺と葵の関係を認めてほしい」


そこで二人の関係を伝えたとか。
最初は驚いたり、同性関係であることや将来のことを挙げて反対をされたそうだけど、葵と璃生のことを見ているうちに二人が幸せなら良いと思えるようになったのだと。


「小さい頃から負担をかけてきちゃったし、葵がそれを望むなら私は二人を応援したい」


葵の母さんのその一言に璃生の父さんは、賛同したのだと。
そこから再婚が決定したのだと璃生から直接聞いた。
何故葵に内緒にするのかと問えば。


「そんなこと知る必要ないだろ。葵には幸せな思いだけして欲しいんだよ」


だとか。
イケメンは中身までイケメンなようで。
その優しさを少しでもオレにくれてもいいと思うんだけど、どうだろうか。
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