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ジュリアンが言いたいのは、また私を置いて戻ってしまうのか、ということだろう。
どうにかしてあげたい気持ちはあるのだが、今の私には彼女の望みを叶えさせてあげることはできない。
「………ジュリアン」
申し訳なさに謝りたい気持ちが高まるが、ここで謝ってしまったら、彼女を更に傷つけてしまう可能性があるためそれ以上何も言えなかった。
ジュリアンはそれを察したのか、何も言えない私の背中を擦り、今日はお休みくださいと言って部屋から出て行ってしまった。
ひとり部屋に残され、前の『私』が使用していた部屋と同じくらいの広さのある部屋を見渡し、ふかふかな床の上に足を置き、これからのことを考えようとするも頭がバンクしていて何も考えられない。
もう今日はこのまま寝てしまおうか、と座ったままの状態で目を瞑れば、左側にあった窓から心地よい風が吹いているのを肌に感じる。
さっきまでは話しに熱中していて開いていることすら気付いていなかったようだ。
ここは城の何階だろうか。
どこの棟だろうか。
見た限りじゃ地下牢のあった所ではなさそうだが。
「その格好で寝ると疲れると思うぞ?」
そこへ聞くはずのない声が近くから聞こえた気がして目を開けば、そこには。
「え?」
「よ!俺が居て驚いたか?」
私の横に座り、子供のように無邪気な表情で笑うローランドの姿があった。
どうにかしてあげたい気持ちはあるのだが、今の私には彼女の望みを叶えさせてあげることはできない。
「………ジュリアン」
申し訳なさに謝りたい気持ちが高まるが、ここで謝ってしまったら、彼女を更に傷つけてしまう可能性があるためそれ以上何も言えなかった。
ジュリアンはそれを察したのか、何も言えない私の背中を擦り、今日はお休みくださいと言って部屋から出て行ってしまった。
ひとり部屋に残され、前の『私』が使用していた部屋と同じくらいの広さのある部屋を見渡し、ふかふかな床の上に足を置き、これからのことを考えようとするも頭がバンクしていて何も考えられない。
もう今日はこのまま寝てしまおうか、と座ったままの状態で目を瞑れば、左側にあった窓から心地よい風が吹いているのを肌に感じる。
さっきまでは話しに熱中していて開いていることすら気付いていなかったようだ。
ここは城の何階だろうか。
どこの棟だろうか。
見た限りじゃ地下牢のあった所ではなさそうだが。
「その格好で寝ると疲れると思うぞ?」
そこへ聞くはずのない声が近くから聞こえた気がして目を開けば、そこには。
「え?」
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