お飾りの私と怖そうな隣国の王子様

mahiro

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あの後、私の荷物が全て焼却炉へ放り込まれたのを見掛けた。
その中には私の両親から貰った大切なものだってあったのに。
何でこんな酷いことをするのだろう。
私はただ、何事にも真剣に取り組むブライアンの姿に惚れ込み、少しでも長く彼の側にいて役に立とうと思っていただけなのに。
あわよくば、彼の気持ちが私に向いてくれたら嬉しいと思っていただけなのに。


「…………悔しい」


あれか、マリー王女のようにサラサラの長い髪にすれば良かったのだろうか。
綺麗な紅の髪に染めれば良かったのだろうか。
こんな何処にでもいる茶髪に短髪で、目付きもどちらかと言えば鋭くて、可愛げのない私の顔ではどんなに髪を似せることが出来てもあんなお人形のように整った顔も綺麗な青い瞳もなければ意味もない。
それにブライアンはマリーの外見や内面は勿論、彼女を形作る全てが好きなのだ。
その為にブライアンも好きでもない私を隣に置きながら少しでもマリーに近づけるよう勉学は勿論、剣術や戦術など幅広く取り入れられるもの全てを取り入れ、日々努力を惜しまなかった。
その結果、マリー王女やおそらく彼女のご両親から了承をやっと得たのだろう。
だからって、人のものを勝手に捨てたり人の事を何の準備もなく追い出したりするのはどうかと思う。
お陰で今朝から着ていた古びた服にマントを被って、手には何も持たぬまま屋敷を出されたのだ。
これからどうしろと言うのだ一体。
私が幸せになれると喜んで屋敷を出してくれた両親の家に帰るとか、無理だ。
顔を見た瞬間に泣きわめく自信がある。
そんなことしたら絶対に両親を困らせてしまうので、それは避けたい。
じゃあ、ホテルにでも泊まるか、と思ってもお金なんて持っているわけがない。
もしかしてブライアンは私にこのまま野垂れ死ねとでも言うつもりだろうか。
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