お飾りの私と怖そうな隣国の王子様

mahiro

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先程出てきたばかりの屋敷へ強引に戻され、ブライアンの執事であるマティアスへアルノルフが話を繋げ、今最高に忙しいであろうブライアンを呼び出すことに成功した。
ブライアンが現在いる部屋は以前私が使用していた部屋で、今後はマリー王女が使用する部屋である。
話をするのはその隣にある客間のようで、私もそこに入れと言われるのかと思いきや、私はアルノルフと共に扉の外で待つように言われ、アルノルフからは一言も話さないようにと何故か言われた。
何が何だかさっぱり分からないが、ドアが完全に閉まりきっていないので部屋の中の様子や声が聞こえそうなのだが、これは良いのか疑問だ。
そこへ苛立ちを隠しもせずに現れたブライアンは、こちらも一見微笑んでいるように見えなくはないが、眉間の皺や纏っている空気が全く表情とあっていないノエリア王子を見てこちらまで聞こえる大きさで溜め息を吐いた。


「お久しぶりです、ノエリア王子。突然何の用ですか?見ての通り今、とてつもなく忙しいのですが」


「みたいだな」


ノエリア王子はそう言うと、不敵に笑った。


「お前全く変わってなくて呆れたわ」


まるで呆れたようにそう言い、憎しみを込めたように睨むブライアンにノエリア王子は愉快そうに声をあげて笑った。


「アッハッハ!気に入らないことを言われたらすぐ睨む癖まで変わってないのかよ。はぁ、笑った笑った………さて、そろそろお遊びはここまでにしてさっさと本題に入るとするか。お坊っちゃんは待ても出来ないみたいだしな」


何処までもブライアンを苛つかせる物言いをするノエリア王子との会話に内心ヒヤヒヤする。
ここまでブライアンが怒ってる姿、初めて見るかもしれないのだが、怖さすら感じてしまう。


「今日はたまたま学園に用があって近隣に来たから挨拶だけでもして帰るかぁ、とか思ってたんだが……ちょっと別件で伝えておかないといけないことがあってな」
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