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全然わかってない!
走っても走っても、全然シーファの姿が近づかない。
心臓が爆発しそうで、ゼイゼイ息を切らしながら、ようやくサナリがシーファへたどり着くと、胸を押さえてうずくまっていた彼は顔を上げ、へにゃりと笑った。
「サナリ、やったよ……」
「……シーファ、よかった……」
息も荒いままだったが、サナリはその首もとに抱きついて、唇を合わせた。
すぐに飢えを満たすように、舌が絡みついてくる。
「はぁ……んんっ……っはぁ……」
二人はしばらく抱き合い、魔力補給を続けた。
少し落ち着いたのか、唇を離したシーファはサナリを見つめた。
サナリも潤んだ目を向ける。
「っ……はぁ、シーファ、無事でよかった……。アルザラス地方を守ってくれて、ありがとうございます」
心の底から安堵と感謝の念がこみあげる。
そして、ちょっとした怒りも。
彼女はそれをシーファにぶつけた。
「でも、無茶しないでください! あなたになにかあったら、私が悲しむって、わかってますか?」
「サナリが悲しむ?」
きょとんと聞き返したシーファに、やっぱりとサナリは切なくなった。
彼はいかに自分が危ういことをしているかを全然わかっていなかった。それを見て、サナリがどう感じるかも。
「例えば、私があなたを助けるために死にそうになったとしたら、どう思いますか?」
「嫌だよ! そんなこと絶対させない!」
目を尖らせて、シーファは即座に返した。
仮定の話に激しく反応するシーファに胸を衝かれながらも、サナリは続ける。
「でも、私はあなたを守れて本望なんですよ?」
「そんなの関係ない! 僕のためにサナリが傷つくなんて嫌だ!」
「それと同じことをシーファはしてるんですよ? 私の気持ち、わかります?」
「あ……」
サナリにそう言われて、ようやく思い至ったようで、シーファは目を見開いた。
そして、視線を落とし謝ってくる。
「ごめん……」
「いいえ、もっと自分を大切にしてほしいと思ってるだけです」
「うん、わかった。気をつける」
シーファは素直にうなずき、サナリもそれならいいと表情をゆるめた。
困惑した顔をした彼はポツリとつぶやく。
「僕のために誰かが悲しんでくれるとは思ってなかったんだ……」
それを聞いたサナリは胸が詰まった。シーファの孤独を思って。
そんな当たり前のことを考えつかないほど、彼はひとりで過ごしてきたのだ。
(これからは私がシーファを大事にするわ! 本人以上に)
そう心に誓ったサナリは、シーファの頭を引き寄せて、もう一度、キスをする。その想いは彼に伝わったようで、シーファはやわらかな笑みを浮かべ、サナリの腰に腕を回すと身を寄せた。
「いろんな意味ですげーな」
いつの間にか、そばに来ていたトーヴェがリタに言うのが聞こえた。
注目されていたのに気づき、サナリは赤くなり、シーファの胸に顔をうずめた。
補給をしたから前回倒れたときより余裕があるようで、シーファはキョロキョロして、誰かを見つけると、サナリを離してそちらに歩いていく。
彼が向かったのは、魔物の処理を指示している騎士団長のところだった。
騎士団長はシーファから話しかけられて驚いていた。
しばらく話し、騎士団長がうなずいたのを見て、シーファはサナリのところに戻ってくる。
「サナリ、ご褒美をくれる?」
シーファがサナリの手を取り、そんなことをいうので、彼女の頬はまた燃えるように熱くなった。
でも、彼が自ら補給を言い出すようになったのはうれしい。
「はい」
小さく返事して、キュッと手を握り返す。
ご機嫌なシーファに手を引かれて、用意されたテントに戻った。
心臓が爆発しそうで、ゼイゼイ息を切らしながら、ようやくサナリがシーファへたどり着くと、胸を押さえてうずくまっていた彼は顔を上げ、へにゃりと笑った。
「サナリ、やったよ……」
「……シーファ、よかった……」
息も荒いままだったが、サナリはその首もとに抱きついて、唇を合わせた。
すぐに飢えを満たすように、舌が絡みついてくる。
「はぁ……んんっ……っはぁ……」
二人はしばらく抱き合い、魔力補給を続けた。
少し落ち着いたのか、唇を離したシーファはサナリを見つめた。
サナリも潤んだ目を向ける。
「っ……はぁ、シーファ、無事でよかった……。アルザラス地方を守ってくれて、ありがとうございます」
心の底から安堵と感謝の念がこみあげる。
そして、ちょっとした怒りも。
彼女はそれをシーファにぶつけた。
「でも、無茶しないでください! あなたになにかあったら、私が悲しむって、わかってますか?」
「サナリが悲しむ?」
きょとんと聞き返したシーファに、やっぱりとサナリは切なくなった。
彼はいかに自分が危ういことをしているかを全然わかっていなかった。それを見て、サナリがどう感じるかも。
「例えば、私があなたを助けるために死にそうになったとしたら、どう思いますか?」
「嫌だよ! そんなこと絶対させない!」
目を尖らせて、シーファは即座に返した。
仮定の話に激しく反応するシーファに胸を衝かれながらも、サナリは続ける。
「でも、私はあなたを守れて本望なんですよ?」
「そんなの関係ない! 僕のためにサナリが傷つくなんて嫌だ!」
「それと同じことをシーファはしてるんですよ? 私の気持ち、わかります?」
「あ……」
サナリにそう言われて、ようやく思い至ったようで、シーファは目を見開いた。
そして、視線を落とし謝ってくる。
「ごめん……」
「いいえ、もっと自分を大切にしてほしいと思ってるだけです」
「うん、わかった。気をつける」
シーファは素直にうなずき、サナリもそれならいいと表情をゆるめた。
困惑した顔をした彼はポツリとつぶやく。
「僕のために誰かが悲しんでくれるとは思ってなかったんだ……」
それを聞いたサナリは胸が詰まった。シーファの孤独を思って。
そんな当たり前のことを考えつかないほど、彼はひとりで過ごしてきたのだ。
(これからは私がシーファを大事にするわ! 本人以上に)
そう心に誓ったサナリは、シーファの頭を引き寄せて、もう一度、キスをする。その想いは彼に伝わったようで、シーファはやわらかな笑みを浮かべ、サナリの腰に腕を回すと身を寄せた。
「いろんな意味ですげーな」
いつの間にか、そばに来ていたトーヴェがリタに言うのが聞こえた。
注目されていたのに気づき、サナリは赤くなり、シーファの胸に顔をうずめた。
補給をしたから前回倒れたときより余裕があるようで、シーファはキョロキョロして、誰かを見つけると、サナリを離してそちらに歩いていく。
彼が向かったのは、魔物の処理を指示している騎士団長のところだった。
騎士団長はシーファから話しかけられて驚いていた。
しばらく話し、騎士団長がうなずいたのを見て、シーファはサナリのところに戻ってくる。
「サナリ、ご褒美をくれる?」
シーファがサナリの手を取り、そんなことをいうので、彼女の頬はまた燃えるように熱くなった。
でも、彼が自ら補給を言い出すようになったのはうれしい。
「はい」
小さく返事して、キュッと手を握り返す。
ご機嫌なシーファに手を引かれて、用意されたテントに戻った。
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