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欲しい①

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 植物園を出た私たちは、テイクアウトで夕食とクリスマスケーキを買って、木佐さんの家に戻った。
 木佐さんが用意してくれてたシャンパンで乾杯して、骨付きチキンを食べる。
 すごくクリスマスっぽかった。
 いつもは実家に帰って、お母さんが作ってくれたご馳走とケーキを家族で食べていた。
 今年は将司さんとクリスマスを過ごすなんて不可能だとあきらめていたから、一人でさみしく過ごすものだと思っていた。
 それがこうして木佐さんと笑って過ごしている。不思議。
 そう思っていたら、押し倒された。

「もう無理。宇沙ちゃんが可愛すぎて、ムラムラが抑えられない」

 そんなことを言って、木佐さんがどんどん服を脱がしていく。
 そっか、最終的にはこれが目的よね。
 彼とは恋人でもなんでもない。こんな関係だった。
 木佐さんがあまりに甘いから、勘違いしそうになる。
 気をつけなきゃ。

 口と手で愛撫を受け、彼に慣らされた身体はとたんに反応しはじめる。
 木佐さんがペロペロと全身を舐め始めると恥ずかしくて、目を閉じた。

「宇沙ちゃんはどこもかしこも甘いよね」
「んんっ、そんなわけありません」
「本当だよ。さっきのケーキより甘くて美味しい。好きだなぁ」

 そんなことを言われると切なくなる。
 木佐さんが私の身体を楽しんでくれてるなら、それでいいじゃないと自分を納得させようとする。
 
(私だって、さみしいから木佐さんを利用してるくせに……)

 身体だけ求められるのを悲しいと思うなんて、おかしい。
 彼に本気で求められたいと思うなんて……。

 身体は熱くなる一方なのに、頭は冷めていて、ぐるぐると思考が空回りする。

「あれ? 宇沙ちゃん、うわの空? 石原係長のこと、考えてる?」
「違います」
「……俺のことしか考えられないようにしてあげようか?」
「えっ? ……ひゃう!」

 目をすがめた木佐さんがぐちゅりと愛芽をつぶした。
 木佐さんを見上げると、口もとは綺麗な孤を描いて、細いツリ目は笑ってるように見えるのに、なぜか怒ってるようにも思えて戸惑った。
 『俺が抱いてるのに他の男のことを考えてるなんて滾るなぁ』とか言わないの?
 そんな疑問も秘所に顔をうずめられて、蜜口を舐め回されて、考えられなくなる。
 
「や、やぁ……ん、んんっ!」

 愛芽を押したり摘んだりされるたびに腰が跳ねる。
 私の脚の間から顔を上げた木佐さんは、今度は乳首に吸いついて、舌で転がしたり歯を立てたりする。その間にも指は愛芽を弄くって、私はあっという間にイってしまった。
 それなのに、木佐さんは愛撫を止めてくれなかった。

「あ、やっ、ダメ、いま、やあっ、ああっ!」

 連続でイって、ビクンビクンと身体が跳ねる。
 ようやく木佐さんが愛撫を止めて、艷やかに流し見る。

「すごくびしょびしょだよ、ここ」
「ああんっ」

 木佐さんが人差し指で割れ目を上下させるから、私はまた啼いた。
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