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第一章:転校生はお人形?
8.昼休憩には
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昼休憩のクラスの話題はなんといっても雛乃の事でもちきりだった。本人だけでなく介助員もいたので午前中はコソコソ話もできなかったクラスメートが解禁されたとばかりに雛乃の事を口にしていた。
「今日の転校生っていったいなんなのよ? あんな被り物をかぶっちゃってね。それにあの怪しい連中はなんなのよ?」
「知るわけないでしょ! あんなの聞いたことないわよ! ここはコミケの会場じゃあるまいし}
そんな不満に近い言葉で充満していた。そもそも悪口の類は本人がいないところで花咲くものだから。この日本で着ぐるみ美少女の転校生を受け入れたのは初めてだったかもしれないので、なんて反応すればいいのか困惑しているようだった。
「おい、新荘! 人形の隣にいてどんな気がしたんだよ?」
俺の悪友の森口優作が近づいてきた。彼は所謂アニメヲタクなのでアニメの世界を再現する美少女着ぐるみに興味がある様子だった。
「べ、別に・・・担任にいわれたからな、あの人形の事を頼むって。興味なんてないしな」
俺は本心を隠すような言葉を吐いた。そのとき、内臓が男という疑念を払しょくできないのでクラスメイトに雛乃への想いを口にできなかったから。
「そおかあ、まあ仕方ないなあ。やりたかったな俺が彼女のエスコートを。たぶん無理だろうから駄目かな?
それはそうと、気になる事があるんだ。お前、星村美香って知っているか?」
「星村美香? なんで言い出すんだ?」
「いやあ、あの着ぐるみの雛乃って奴の顔。なんとなく似ているんだ、彼女に!」
森口の事だから今奴がはまっている「タンジョンクエスト・えりか!」の”えりか”の話題かと思っていたので肩透かしを食らわされていた。
「星村って、なんだったかなブレイクした子役スターだろ! そういえば最近テレビで見ねえな」
「なんだあ知らねえか? 彼女って死んだんだよ! 不慮の事故で! 何年前だったかな、自衛隊が配備していた大陸弾道ミサイル迎撃システムの不備でよ!」
「あれって、まさか新潟沖で起きた奴か?」
「そうだよ、あのときはどこかの大陸弾頭ミサイルを検知して発射したけど、標的とは全く方向が近い所に向った挙句、地上に突っ込んだんだよ! たまたま映画の撮影に来ていた彼女が巻き込まれてな、他のスタッフと一緒に。可哀そうだったよな、あんなことになって」
森口の説明で思い出した。あの時は南に向かっていたのに何故かミサイルが北に発射されて、標的がないので自爆せずに地上に突入したと。たしかハッキングされてプログラムが変更されていたのに気付かなかったのが原因といっていたな。それはともかく、それが雛乃に関係するというんだよ。
「そういうこともあったな。でも、それがなんで転校生の人形娘になるんだよ!」
「実は、彼女を追悼する同人誌のアニメ調のイラストと似ていたんだ! もし高校生になって活躍していたらというキャラクターデザインに」
俺はその時、頭の中で雛乃とその星村美香とイメージを照合しようと思ったが、出来なかった。俺は森口とは違って彼女の事をあまり意識していなかったから」
「そうなんだあ・・・たまたまだろ、それって? 別にあの人形娘の顔はアニメのキャラクターみたいだったけどわざわざ内臓に合わせたりするなんてないだろ」
「それもそうだけど・・・朝見てからそのイメージが離れないんだよ」
そういって森口は俺の目の前の雛乃の椅子の上に腰かけた。なんとなく俺は嫌な気になっていた。
「今日の転校生っていったいなんなのよ? あんな被り物をかぶっちゃってね。それにあの怪しい連中はなんなのよ?」
「知るわけないでしょ! あんなの聞いたことないわよ! ここはコミケの会場じゃあるまいし}
そんな不満に近い言葉で充満していた。そもそも悪口の類は本人がいないところで花咲くものだから。この日本で着ぐるみ美少女の転校生を受け入れたのは初めてだったかもしれないので、なんて反応すればいいのか困惑しているようだった。
「おい、新荘! 人形の隣にいてどんな気がしたんだよ?」
俺の悪友の森口優作が近づいてきた。彼は所謂アニメヲタクなのでアニメの世界を再現する美少女着ぐるみに興味がある様子だった。
「べ、別に・・・担任にいわれたからな、あの人形の事を頼むって。興味なんてないしな」
俺は本心を隠すような言葉を吐いた。そのとき、内臓が男という疑念を払しょくできないのでクラスメイトに雛乃への想いを口にできなかったから。
「そおかあ、まあ仕方ないなあ。やりたかったな俺が彼女のエスコートを。たぶん無理だろうから駄目かな?
それはそうと、気になる事があるんだ。お前、星村美香って知っているか?」
「星村美香? なんで言い出すんだ?」
「いやあ、あの着ぐるみの雛乃って奴の顔。なんとなく似ているんだ、彼女に!」
森口の事だから今奴がはまっている「タンジョンクエスト・えりか!」の”えりか”の話題かと思っていたので肩透かしを食らわされていた。
「星村って、なんだったかなブレイクした子役スターだろ! そういえば最近テレビで見ねえな」
「なんだあ知らねえか? 彼女って死んだんだよ! 不慮の事故で! 何年前だったかな、自衛隊が配備していた大陸弾道ミサイル迎撃システムの不備でよ!」
「あれって、まさか新潟沖で起きた奴か?」
「そうだよ、あのときはどこかの大陸弾頭ミサイルを検知して発射したけど、標的とは全く方向が近い所に向った挙句、地上に突っ込んだんだよ! たまたま映画の撮影に来ていた彼女が巻き込まれてな、他のスタッフと一緒に。可哀そうだったよな、あんなことになって」
森口の説明で思い出した。あの時は南に向かっていたのに何故かミサイルが北に発射されて、標的がないので自爆せずに地上に突入したと。たしかハッキングされてプログラムが変更されていたのに気付かなかったのが原因といっていたな。それはともかく、それが雛乃に関係するというんだよ。
「そういうこともあったな。でも、それがなんで転校生の人形娘になるんだよ!」
「実は、彼女を追悼する同人誌のアニメ調のイラストと似ていたんだ! もし高校生になって活躍していたらというキャラクターデザインに」
俺はその時、頭の中で雛乃とその星村美香とイメージを照合しようと思ったが、出来なかった。俺は森口とは違って彼女の事をあまり意識していなかったから」
「そうなんだあ・・・たまたまだろ、それって? 別にあの人形娘の顔はアニメのキャラクターみたいだったけどわざわざ内臓に合わせたりするなんてないだろ」
「それもそうだけど・・・朝見てからそのイメージが離れないんだよ」
そういって森口は俺の目の前の雛乃の椅子の上に腰かけた。なんとなく俺は嫌な気になっていた。
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