18 / 36
壱章:例外中の例外の少女ヘレン
17.相棒探し(2)
しおりを挟む
秋の夕陽が部屋に差し込んでいた、そのときある光景が脳裏によみがえっていた。和夫さんと最初にあった日の事を。たしかこんな風に秋の夕暮れが彼を包んでいたのを。でも、いまは昭和時代の日本ではなく、日本とは異世界の学校だ。男を探しているとはいえ今は和夫さんの転生体ではなく競技会の相棒を探さないといけなかった。そんな心で色々考えていたのもさっきからジャヌルス先生がルドルフ・イワンドルフとやらの騎士の資料を持ったままでブツブツいっていたからだ。早くどうにかしてほしいというものだった。
「ヘレンさん、ごめんなさい。このルドルフなんだけど昔っからの知り合いなのでよーく知っていたから何からしゃべれば良いのか考えていたのよ。でも・・・興味ないのなら次のこの人なんか良いと思うわ。
この人はどうかしら。マルティン・ヴァールルグだけど、この人は公家の衛視隊見習いで、今回の競技会に参加したいのであちらこちらにお願いしているんだけど、なかなかの能力値があってね・・・」
ジャヌルス先生は明らかにルドルフとやらの説明を省いてしまった。ほかの候補の説明はそれなりに丁寧だというのにである。それは何かがあるんだと思うと余計に気になって仕方なかった。窓ではお日様が遠くの尖塔に消えようとしていたので、そろそろ先生はやめようということで、片付けを始めてしまった。明日もゆっくり候補を考えよう締め切りまでに決めればいいんだということにしてしまった。しかし私はなんでか分からないがルドルフの事が気になって仕方なかった。
「あのう、先生。途中で説明を打ち切られましたが、私はなんとなくルドルフ・イワンドルフさんが気になって仕方ないのですが、もう少し彼の事を教えてくれませんか?」
私の言葉は先生からすれば的を射抜く矢のようだった。先生の顔は石をぶつけられた鳥のように大きくなっていた。そして脂を蓄えたその身体を震わせていた。明らかに動揺していた。
「何故なのよ! なんであんな女たらしの資源の無駄使いの野郎に興味をもつんだよ! なんでなんでなのよ!」
その声は相当興奮していたので、今度は私の方が目が大きくなっていた。あんまりのことなんで思わず私は両耳に垂らしている編髪を掴んでいた。
「そういわれても・・・わたしの慧力が感じたからですわ、きっとそうですよ、たぶん」
「そうかあ・・・あなたの慧力が教えてくれたわけ、って、なによ! 本当のことならあいつの資料があるんだと分かっていたら省いてからゴミ箱にでも入れとけばよかったわ! なんで応募しているんだあいつは? 若い娘に気に入れたいんかいな!」
先生の声は明らかに嫌悪感と憎悪と侮蔑の念が籠っていた。なんで知り合いなのにここまでできるというのか、まさか? そう思い私は恐る恐る聞いてみた。
「せ、先生、間違っていたら申し訳ないのですが・・・そのルドルフさんとは婿入りしてもらうのを前提にお付き合いされていたのですか?」
私は恐ろしくて仕方なかったが、なぜか私は彼の事をもっと知りたいと思わずにいられなかった。
「お付き合い? それは違うわ。ルドルフは私と同族なのよ! そう従姉弟同士なのよ! 説明しなくても分かるわよね、同族の従姉弟同士は婚姻できないって!
なぜ、ここまで言うのかというとあいつは私ら親族の恥さらしみたいな奴なんだ!」
「恥さらし? なんか凄い無能だとでも? それとも・・・」
私は変な汗をかいていた。なんで全く会ったことない男の事でそう感じるのか訳が分からなかったが。
「無能だったらよっぽどのことならそっちの方がよかったかもしれないわね。そうすれば誰にも相手されずに、厄介払いにして適当な家にでも働き手として婿入りしてもらえばいいだけだから。でも、あいつは・・・女にモテモテなのを良いことにあちらこちらの家に迷惑をかけて・・・おかげでイワンドルフ家の評判は地に落ちたのよ」
「あれ? 先生の家名って違うのではないですか? たしか・・・マリンブルグでは?」
「ああそれ? あれは父の実家の姓なのよ。いろいろ事情があってそうしなければいけなかったのよ、ルドルフのせいで!」
「そんなにルドルフさんて酷い人なんですか? 暴力的とか詐欺師みたいだとか」
「暴力的ではないなあ、あんなに女にとって心地よい男はいないから。まあ詐欺師という例えば正解に近いな」
そういって先生はルドルフさんの資料を机の上に叩きつけるように放り出した。
「ところでヘレンさん、あなた17歳だったわね。それと誰とも婿取契約をしていないわよね?」
婿取契約とは有力な家柄の娘が将来の働き手としての男を家に迎え入れる約束で、それをすれば例外的に未成年で在学中でも家庭を持つのが許されるというものだった。しかし私は三女なので家の跡取りではないので必要性がなかったので関係なかった。
「ええ、していないです。私は例外中の例外の娘ですよ! この身は公家に預けられているのも同様ですわ!」
「そうだったわね、あなたはどこかの偉い家柄の出身ではなかったわね。ルドルフはめぼしい女がいればだれとでも婿取契約をするのよ。そして破棄するんだよいつも?」
「破棄ってなんのためにですか?」
「まあ、あなたももうすぐ成人になるんだからいうわよ。そうやって女を乗り換えるんだよ! 別に付き合うなとはいわないけど、親族として迷惑なんだよルドルフは! 私もどれだけあいつの尻拭いをさせられたんというものか・・・」
「乗り換えるってことは・・・どういえばいいのですが、言っても良いですか先生!」
「いいわよ、ヘレンさん。そんなこと誰でも思うだろうね浮気性だと!」
「やっぱり・・・」
私の慧力が反応したルドルフという男は浮気性だと知らされた瞬間だった。普通ならそんな倫理観に劣る男と一緒に競技会に出たいとおもうはずないのだけど・・・それでもなお私は・・・
「ヘレンさん、ごめんなさい。このルドルフなんだけど昔っからの知り合いなのでよーく知っていたから何からしゃべれば良いのか考えていたのよ。でも・・・興味ないのなら次のこの人なんか良いと思うわ。
この人はどうかしら。マルティン・ヴァールルグだけど、この人は公家の衛視隊見習いで、今回の競技会に参加したいのであちらこちらにお願いしているんだけど、なかなかの能力値があってね・・・」
ジャヌルス先生は明らかにルドルフとやらの説明を省いてしまった。ほかの候補の説明はそれなりに丁寧だというのにである。それは何かがあるんだと思うと余計に気になって仕方なかった。窓ではお日様が遠くの尖塔に消えようとしていたので、そろそろ先生はやめようということで、片付けを始めてしまった。明日もゆっくり候補を考えよう締め切りまでに決めればいいんだということにしてしまった。しかし私はなんでか分からないがルドルフの事が気になって仕方なかった。
「あのう、先生。途中で説明を打ち切られましたが、私はなんとなくルドルフ・イワンドルフさんが気になって仕方ないのですが、もう少し彼の事を教えてくれませんか?」
私の言葉は先生からすれば的を射抜く矢のようだった。先生の顔は石をぶつけられた鳥のように大きくなっていた。そして脂を蓄えたその身体を震わせていた。明らかに動揺していた。
「何故なのよ! なんであんな女たらしの資源の無駄使いの野郎に興味をもつんだよ! なんでなんでなのよ!」
その声は相当興奮していたので、今度は私の方が目が大きくなっていた。あんまりのことなんで思わず私は両耳に垂らしている編髪を掴んでいた。
「そういわれても・・・わたしの慧力が感じたからですわ、きっとそうですよ、たぶん」
「そうかあ・・・あなたの慧力が教えてくれたわけ、って、なによ! 本当のことならあいつの資料があるんだと分かっていたら省いてからゴミ箱にでも入れとけばよかったわ! なんで応募しているんだあいつは? 若い娘に気に入れたいんかいな!」
先生の声は明らかに嫌悪感と憎悪と侮蔑の念が籠っていた。なんで知り合いなのにここまでできるというのか、まさか? そう思い私は恐る恐る聞いてみた。
「せ、先生、間違っていたら申し訳ないのですが・・・そのルドルフさんとは婿入りしてもらうのを前提にお付き合いされていたのですか?」
私は恐ろしくて仕方なかったが、なぜか私は彼の事をもっと知りたいと思わずにいられなかった。
「お付き合い? それは違うわ。ルドルフは私と同族なのよ! そう従姉弟同士なのよ! 説明しなくても分かるわよね、同族の従姉弟同士は婚姻できないって!
なぜ、ここまで言うのかというとあいつは私ら親族の恥さらしみたいな奴なんだ!」
「恥さらし? なんか凄い無能だとでも? それとも・・・」
私は変な汗をかいていた。なんで全く会ったことない男の事でそう感じるのか訳が分からなかったが。
「無能だったらよっぽどのことならそっちの方がよかったかもしれないわね。そうすれば誰にも相手されずに、厄介払いにして適当な家にでも働き手として婿入りしてもらえばいいだけだから。でも、あいつは・・・女にモテモテなのを良いことにあちらこちらの家に迷惑をかけて・・・おかげでイワンドルフ家の評判は地に落ちたのよ」
「あれ? 先生の家名って違うのではないですか? たしか・・・マリンブルグでは?」
「ああそれ? あれは父の実家の姓なのよ。いろいろ事情があってそうしなければいけなかったのよ、ルドルフのせいで!」
「そんなにルドルフさんて酷い人なんですか? 暴力的とか詐欺師みたいだとか」
「暴力的ではないなあ、あんなに女にとって心地よい男はいないから。まあ詐欺師という例えば正解に近いな」
そういって先生はルドルフさんの資料を机の上に叩きつけるように放り出した。
「ところでヘレンさん、あなた17歳だったわね。それと誰とも婿取契約をしていないわよね?」
婿取契約とは有力な家柄の娘が将来の働き手としての男を家に迎え入れる約束で、それをすれば例外的に未成年で在学中でも家庭を持つのが許されるというものだった。しかし私は三女なので家の跡取りではないので必要性がなかったので関係なかった。
「ええ、していないです。私は例外中の例外の娘ですよ! この身は公家に預けられているのも同様ですわ!」
「そうだったわね、あなたはどこかの偉い家柄の出身ではなかったわね。ルドルフはめぼしい女がいればだれとでも婿取契約をするのよ。そして破棄するんだよいつも?」
「破棄ってなんのためにですか?」
「まあ、あなたももうすぐ成人になるんだからいうわよ。そうやって女を乗り換えるんだよ! 別に付き合うなとはいわないけど、親族として迷惑なんだよルドルフは! 私もどれだけあいつの尻拭いをさせられたんというものか・・・」
「乗り換えるってことは・・・どういえばいいのですが、言っても良いですか先生!」
「いいわよ、ヘレンさん。そんなこと誰でも思うだろうね浮気性だと!」
「やっぱり・・・」
私の慧力が反応したルドルフという男は浮気性だと知らされた瞬間だった。普通ならそんな倫理観に劣る男と一緒に競技会に出たいとおもうはずないのだけど・・・それでもなお私は・・・
0
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない
紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。
完結済み。全19話。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる