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香奈との出会い

人形娘の寝姿

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 こんな風に自分の部屋で異性と二人で朝を迎えたのは初めてだった。東京に来て一人暮らしをしはじめて彼女と呼べる存在がいなかったからだ。もちろんキニナル女性はいないでもなかったが、日々の生活の忙しさ、なによりも経済的困窮が異性と付き合うことを許さなかった。もっとも、そんなものは度胸でこえればいいものだったかもしれないけど・・・

 いま目の前にいるのは傍目からみると大きな人形にしか見えなかった。長いブロンズのウェーブかかった髪、大きな青い瞳、大きな胸に細くくびれたウエスト。そして形が整ったヒップ。まさに男の理想を具現化したような女性像の創造物だった。

 しかし、その人形には”中の人”がいて幼馴染の沢村香奈が閉じ込められているらしいのだ。もちろん中身を確かめることが出来ないので香奈ではないかもしれないし、一種のアンドロイドなのかもしれなかったが、そう信じるしかなかった。

 ”香奈”がいうには人形娘という改造人間という存在になっているとのことだったが、目の前の人形娘は一切の衣服を身につけていなかった。だから俺は身体をマジマジと見つめていた。

 俺は、人形娘に近い存在として思い浮かんだのは美少女着ぐるみを思い浮かべていた。あれはスキンカラーの全身タイツを着て、美少女マスクをしてウィッグをつけて美少女へと変身するものだ。

 身体を全て隠してしまうので、体型の違いを除けば男ですら”美少女”に変身することが出来る。ただ着ぐるみはマスクを被っているので、よく見れば全身タイツと素材が明らかに違うので、着ぐるみだとわかるものであった。

 しかし香奈の人形娘は全身がマネキンのような得体の知れない有機素材で覆われていた。しかも人肌の温もりを感じるし人間のような動きも可能だ。だから部屋に最初に入ってきた時、俺は普通の女の子だと思ったぐらいだ。それだけ精巧なつくりというわけだ。

 人形娘は全身が美しい造形物であったが、特に胸が綺麗だった。エッチな本のポルノグラビアのモデルのように均整で豊満な胸をしていた。そういえば香奈って自分で胸が小さいペチャパイといって嘆いていたけどそれと違うと思った。

 その姿を見ていると俺は少し欲情してきたが、それを抑えるのに充分な疑問がわいていた。彼女の股間は弁のようなものがみっつついていた。そういえば彼女はトイレに行く事もあると筆談で主張していたけど、昨夜は牛乳を”飲んでいた”から。出るものも出るのだなあと考えていた。

 さらに不思議な事に、彼女は”息をしていなかった”のだ。だから彼女が横になっていると本物の人形のようにしか見えないのだ。本当のところ彼女はロボットかアンドロイドのようなものだろうか? そんな疑問が浮かんでいた。
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