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黒鋼鉄少女!
忍び寄る影
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秋が深まると当然日が暮れるのは早くなる。それまでとは違い夜の帳が降りてくるのも前倒しになるのは自明の理である。そんなことをつい忘れていた少女は遅くなった帰宅時間をダッシュしていた。その時、少女は着ているセーラー服のスカーフが乱れるのも構わず先を急いでいた。そして彼女は直進距離で駆け抜けることが出来る雑木林の中のケモノ道を進むことにした。
「あーん、もー、こんなのなら自転車を使えばよかった!」
その日の朝、少女が使う自転車が壊れたので徒歩で登校していた。いつものつもりで身構えていたので、いつもよりも時間がかかるのを忘れていたのだ。しかも雑木林は日が暮れるとはっきり見えなくなる闇になるのを忘れていた。本当に彼女は迂闊な少女だったようだ。
そんな状況でも唯一の救いは雑木林の先にある一際大きな家に灯る明かりだった。その明かりを目印に向えば、脱出できるのも時間の問題だと、しかし変な事に気付いた。少女が先を進んでいるというのにその灯が近づくことがなかったのだ。
「これって・・・どうなのよ!」
少女は既にこの世のエアポケットに迷い込んでいたのに気付き始めていた。それで元の雑木林の入り口に引き返すことにした。これは親が決めた門限時間を破るのが決定したようなものだったが、止む得ない事態だと思いなおすことにした。
振り返ったところ、少女の瞳に忍び寄る影があることに気付いた! 彼女は危急の障害だと一瞬に判断したので、とりあえず駆け出すことにした。しかしそれは暗黒面に墜ちる女に選ばれた運命に逆らう事であり、最早脱出は不可能だった。
「あーん、もー、こんなのなら自転車を使えばよかった!」
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