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宮廷パーティーにて
会場にて(4)
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ようやく車寄せに停車することが出来て、わたしたち三人の人形は降りる事が出来た。末端の男爵家だったわたしが宮殿にやってくるのは初めてだった。もし平時だったら伯爵家は必ず皇帝に謁見してから婚礼の議を行うのが習わしだったが、橘花宮の婚儀は簡素にしてしまった。それで花嫁のすり替えという事が可能であったけど。
人形が歩くのを他の人は驚くだろうと思ったけど、そのようなことはなかった。もしかすると同じようにしている人がいるのかしらと思ったけど、そんなことは無かった。そう無関心だったのだ。もしかすると関わり合いを持ちたくないと無視しているかもしれなかった。
わたしたちが案内されたのは控えの間だった。下級の貴族階級や称号を持たないものなどは直接会場に入れるのだが、高い身分は式典が始まる直前まで休憩ができるわけだ。休憩の場として案内されたのが豪華な装飾が施された部屋だった。その中心のソファーに哲彦が座って書類を読んでいた。
「伯爵、殿下をお連れ致しました」
チヅルの言葉に哲彦が振り返るとすぐわたしたちの方に近寄って来た。十メーター以内への接近禁止を破ったわけだ。そしてわたしの人形姿を確認していた。
「ほお! 代わりに人形にしてもらったが、パット見分かりにくいな違いは! 今日は頼むぞ! そうそう、あんまりしゃべるなよ。馬脚を現したらいろいろ面倒だからな」
哲彦はそういったけど、人形にしておきながらもう少しねぎらいの言葉をかけてほしかったよ! 機体などしていなかったけどね。
人形が歩くのを他の人は驚くだろうと思ったけど、そのようなことはなかった。もしかすると同じようにしている人がいるのかしらと思ったけど、そんなことは無かった。そう無関心だったのだ。もしかすると関わり合いを持ちたくないと無視しているかもしれなかった。
わたしたちが案内されたのは控えの間だった。下級の貴族階級や称号を持たないものなどは直接会場に入れるのだが、高い身分は式典が始まる直前まで休憩ができるわけだ。休憩の場として案内されたのが豪華な装飾が施された部屋だった。その中心のソファーに哲彦が座って書類を読んでいた。
「伯爵、殿下をお連れ致しました」
チヅルの言葉に哲彦が振り返るとすぐわたしたちの方に近寄って来た。十メーター以内への接近禁止を破ったわけだ。そしてわたしの人形姿を確認していた。
「ほお! 代わりに人形にしてもらったが、パット見分かりにくいな違いは! 今日は頼むぞ! そうそう、あんまりしゃべるなよ。馬脚を現したらいろいろ面倒だからな」
哲彦はそういったけど、人形にしておきながらもう少しねぎらいの言葉をかけてほしかったよ! 機体などしていなかったけどね。
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