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(一)リストラがいる風景
さらばじゃ
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「岡島マネージャー。もしこの退職届に同意しないと、俺どうなりますか?」
ほぼ全ての従業員は憲太は岡島の下で仕事をやるのは嫌だという事はみんな知っていたので、周囲のものは直ぐにやめるだろうと思っていたが、半分意地で仕事を続けていた。たとえ、主任をイチャモンつけて降格されたり、便所掃除や花壇の草抜き、汚水槽の掃除といった作業をやらされてもだ。パワハラすら撥ねつけていたわけだ。でも、社長命令というお墨付きがあるので、クビを言い渡しに来たわけだ。
「そうだね山村君。そのときは懲戒解雇だ! だってお前さんはこの会社にふさわしくないし、この仕事だってあっていないのよ。なんだって、マネージャーの言う事は聞かないし、会社のコストダウンのための食品使用に文句をつけるしな。それに私の娘が怪我した時、お前さんのせいじゃないか? なんだって私を怒らしたから娘が怪我する破目になったからね。家で私の機嫌が悪かったから怪我したのさ」
それにしても、自分の娘の怪我まで人に責任を押し付けるとは思ってもいなかった。憲太は怒りを通り越してあきれ果ててしまった! まあ、この人のことだからありそうだけどもよと感じていたが。
それにしても、この人からすれば自分の言う事を聞かない社員は懲戒解雇ということらしい。憲太はそう理解した。まあどこかの独裁者のように居眠りしていたり、つまらない駄洒落を言って処刑されるようなものだと思ったが、ようやく踏ん切りがついたと考えると、もうどうでもよかった。こんな独裁者が経営している会社に労働基準法なんていっても関係なさそうであった。
憲太はそういうと、既に出来上がっていた「退職願」に同意すると、さばさばした気持ちで店を後にした。この時、自分の金で買った包丁などといった備品を引き上げると、不思議な事に店の包丁の半分がなくなってしまった。これには店で働いていたパートさんが慌てだした。
「山村君、いくらあなたが買ってくれた包丁や備品といっても今持ち出さないで頂戴」
パートさんは俺を引きとめようとはせず、またねぎらいの言葉も無かったが、まだ店内に岡島がいたからだ。岡島のように『半島の将軍様』といわれる奴の前で庇うとどんな仕打ちがあるのかわかっていたからだ。
「みんな、すまないけど、俺今日でこの店去らないといけないのだ! もう、この店に戻ることは無いのだ! 店にある俺のものを置いておいたらもう二度と取りに来れないのだ。だから許してくれ!」
そういうと、店内にあった俺の所有物だけでなく俺が作成した資料も持ち出して、段ボールに入れて店を出て行った。そこには岡島がまだいた。
「私はこれから他の店に行って何人か辞めてもらわないといけない。それにしてもお前店のため会社のために置いていってもいいじゃないか?」
そんな岡島の厭味なことが耳に入ったが、いままでのように反発して言い返すのはやめにした。もう店のためお客さんのために反論する必要なないのだ。岡島の最後の挨拶ぐらいしろという怒鳴り声を無視し、憲太は原付バイクのキーを回した。
今日一日、店で夜遅くまで働くと思っていたのに、思わぬ形で『休日』となった。その『休日』がいつまで続くかがわからないけど。この日、梅雨の晴れ間の爽やかな青い空が広がっていた。その空を見ると、いままで店のために働いてきた事など空しくなったが、同時に出発の時だと思った。
「岡島の奴、最後に一発お見舞いすればよかった。でも今日はどこかに遊びに行こう!」
そう思うと、憲太は原付バイクのスロットをフルに回して海へと向かっていた。でも今日はそれでいいけど明日からどうしよう?
ほぼ全ての従業員は憲太は岡島の下で仕事をやるのは嫌だという事はみんな知っていたので、周囲のものは直ぐにやめるだろうと思っていたが、半分意地で仕事を続けていた。たとえ、主任をイチャモンつけて降格されたり、便所掃除や花壇の草抜き、汚水槽の掃除といった作業をやらされてもだ。パワハラすら撥ねつけていたわけだ。でも、社長命令というお墨付きがあるので、クビを言い渡しに来たわけだ。
「そうだね山村君。そのときは懲戒解雇だ! だってお前さんはこの会社にふさわしくないし、この仕事だってあっていないのよ。なんだって、マネージャーの言う事は聞かないし、会社のコストダウンのための食品使用に文句をつけるしな。それに私の娘が怪我した時、お前さんのせいじゃないか? なんだって私を怒らしたから娘が怪我する破目になったからね。家で私の機嫌が悪かったから怪我したのさ」
それにしても、自分の娘の怪我まで人に責任を押し付けるとは思ってもいなかった。憲太は怒りを通り越してあきれ果ててしまった! まあ、この人のことだからありそうだけどもよと感じていたが。
それにしても、この人からすれば自分の言う事を聞かない社員は懲戒解雇ということらしい。憲太はそう理解した。まあどこかの独裁者のように居眠りしていたり、つまらない駄洒落を言って処刑されるようなものだと思ったが、ようやく踏ん切りがついたと考えると、もうどうでもよかった。こんな独裁者が経営している会社に労働基準法なんていっても関係なさそうであった。
憲太はそういうと、既に出来上がっていた「退職願」に同意すると、さばさばした気持ちで店を後にした。この時、自分の金で買った包丁などといった備品を引き上げると、不思議な事に店の包丁の半分がなくなってしまった。これには店で働いていたパートさんが慌てだした。
「山村君、いくらあなたが買ってくれた包丁や備品といっても今持ち出さないで頂戴」
パートさんは俺を引きとめようとはせず、またねぎらいの言葉も無かったが、まだ店内に岡島がいたからだ。岡島のように『半島の将軍様』といわれる奴の前で庇うとどんな仕打ちがあるのかわかっていたからだ。
「みんな、すまないけど、俺今日でこの店去らないといけないのだ! もう、この店に戻ることは無いのだ! 店にある俺のものを置いておいたらもう二度と取りに来れないのだ。だから許してくれ!」
そういうと、店内にあった俺の所有物だけでなく俺が作成した資料も持ち出して、段ボールに入れて店を出て行った。そこには岡島がまだいた。
「私はこれから他の店に行って何人か辞めてもらわないといけない。それにしてもお前店のため会社のために置いていってもいいじゃないか?」
そんな岡島の厭味なことが耳に入ったが、いままでのように反発して言い返すのはやめにした。もう店のためお客さんのために反論する必要なないのだ。岡島の最後の挨拶ぐらいしろという怒鳴り声を無視し、憲太は原付バイクのキーを回した。
今日一日、店で夜遅くまで働くと思っていたのに、思わぬ形で『休日』となった。その『休日』がいつまで続くかがわからないけど。この日、梅雨の晴れ間の爽やかな青い空が広がっていた。その空を見ると、いままで店のために働いてきた事など空しくなったが、同時に出発の時だと思った。
「岡島の奴、最後に一発お見舞いすればよかった。でも今日はどこかに遊びに行こう!」
そう思うと、憲太は原付バイクのスロットをフルに回して海へと向かっていた。でも今日はそれでいいけど明日からどうしよう?
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