勘違いしている同僚に一世紀近く眠らされたのですが本命の彼氏に再会できるって本当なの?

ジャン・幸田

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 202X年。とある多国籍企業によって人類を人工冬眠させる技術の開発が進められていた。その企業は現代医学では治療困難な患者を医学が進歩するであろう近未来まで眠らせるビジネスを想定していた。富裕層をターゲットにしたものであった。

 また、大規模な施設が必要になる超低温保存ではなく、独立した常温冬眠装置で行おうとしていた。具体的な技術は未公開であったが、ミイラのような状態で数百年経過しても蘇生する事が可能だとされていた。その日は三ヶ月に及ぶ冬眠から覚醒させる実験が行われていたが・・・

 「大変です! 被験者の体温が急上昇しています! このままでは体液が沸騰します!」

 オペレーターは慌てふためいていた。常温の20度から平均体温程度まで体温を上昇させる工程を行っていたところ、予期せぬ化学反応が起きてしまった。

 「実験中止! 蘇生はやめろ!」

 その命令によって被験者は再び冬眠状態に戻された。それを観ていた被験者の同僚朱里は崩れ落ちてしまった。被験者は彼女の同僚美嘉だった。

 「とりあえすだな・・・安全に蘇生が出来るまで彼女を人工冬眠のままにしておこう。家族とは話をつけておくから」

 所長は疲れ切った表情を浮かべていた。プロジェクトのメンバーは一様にショックな表情を浮かべていた。いままで、動物実験でも失敗がなかったのに今回に限って失敗したことに。そのあと、メンバーは葬式に参加しているかのような雰囲気であった。それから数週間後・・・計画は一時中断とされプロジェクトメンバーは解散となった。

 「うまくいったわね」

 朱里は空港にいた、同僚のウォンと彼の母国に向かうためだった。

 「そうだな、あいつは俺が産業スパイだと感づいていたからな。このまま永久に眠ってもらうには丁度よかったな」

 ウォンは人工冬眠技術を持参していた。もちろん巧妙な手段を用いていた。

 「わたしも良かったわ。あなたに美嘉が近寄っていたからね、恋の路を邪魔されたくないからね」

 朱里はウォンの腕にしがみついていた。そのとき、二人は栄光の未来が待っていると信じ切っていた。一方の美嘉は生きる屍として朽ち果ててしまうものだと思っていた。搭乗の案内アナウンスがあり二人は機上の人となった。美嘉の事など忘れるかのように。
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