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(5)ロボ娘の教習

97.入院していないのよ、あたいは

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 恵理に腕を掴まれた里中は暴れたが、恵理から逃れる事はできなかった。

 「痛いだなんて、あんたロボットなんでしょ? ロボットが痛いわけないじゃないのよ! 放してよ、御願い!」

 クラス一の狂暴女も逃れられないの観念したわけではなかった。拘束されていない足で恵理の足を蹴飛ばしていたからだ。本当に往生際悪くねえか?

 「放せるわけないじゃないのよ! あんたのような女はあたいのように改造されてしまいなさいよ! 大人しくなるからさ!」

 恵理の言った事に里中はわけわからねえじゃん! といった表情をしていた。

 「改造? なんのことよ! 頭おかしいんじゃねえのかよ! ブリキ女! というか入院中でおかしくねえか!」

 ブリキ女と言われ恵理は本当に怒っているようだった。まあ当たり前だろうけど。

 「ほんとはね、入院していないのよ、あたいは!」

 「はあ? 意味わかんねえじゃんか!」

 恵理の言う意味は里中には通じていないようだった。

 「あたいはね、綾先生の一味にロボットのように見える機ぐるみを着せられたのよ! あんたもこれから機ぐるみを着せられるのよ!」

 「何言っているのよ! うちの担任の先公がそんなことをする意味がわからねえだろ? いい加減な事をいうな!」

 その時、里中の瞳に綾先生の姿が写っていた。彼女の運命が定まった瞬間だった。
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