上 下
102 / 104
(5)ロボ娘の教習

101.美咲の改造(5)

しおりを挟む
 機械子宮から出る時、入れられた人間は全て機械の姿になっているのが常である。美咲は視界が開くと頭の中に様々な数値が入ってくるのがわかった。彼女の生体脳に挿入されたインターフェイスの仕業だった。インターフェイスは生体脳と運動神経などに干渉することで、人間を制御するのだ。

 美咲は戸惑った、身体が固いモノに覆われているのが分かった。自分も恵理と同じ「仲間」にされたんだと。一体、どんな姿になったというんだ? すると目の前に恵理がいた。その姿は昨日まで下げずんだ視線を投げつけていた対象だった。しかし、今では私も? その姿という訳なの?

 「おめでとう、里中さんいや美咲。あなたもロボ娘に生まれ変わったのよ。わかるよね、昨日まで馬鹿にしていたブリキ女になったのよ。こっちを見なさいよ!」

 恵理は美咲の手を取った。恵理の外骨格が触れると自分も同じなんだと思い知らされ、美咲は絶望的な気分になった。そして連れてこられたのはダンススタジオにでもあるような全面鏡張りの壁だった。そこには恵理の青いガイノイドの隣に一回り大きな真っ赤なガイノイドが立っていた。それって、まさか?

 「あなたの機体は真っ赤なボディなのよ。あたいは綺麗だと思うはよ。メタリックな輝き、そしてオプションでいろんな機能をアップグレートできる冗長性はね」

 美咲はその姿を見て絶句していた! わたしは・・・ロボットだったの?
しおりを挟む

処理中です...