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第一章・転生したらモフモフケモノでした
02・セリに出されたモフモフ
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モフモフに転生した! モフモフになれたのは嬉しかったが今の状況はあんまりだった。最初とは打って変わって金額が吊り上がっていったから。
「35000ディナール!」
「36000ディナール!」
「さあ諸君! 今日の目玉商品あるよ! あとで後悔するぐらいなら、いまここで入手したまえ! 懐に余裕があるなら参加するあるよ!」
セリを主宰するデブは参加者にまくし立てていたが、実際に競い合っているのは二人だけだった。ほかの参加者は傍観しているだけだった。なぜ二人が競い合っているのか理由はよくわからなかった。
「49500ディナール!」
「51000ディナール!」
わたしにはディナールという貨幣の価値が分からなかったが、とてつもなく高額になっているのは分かった。それにしても、わたしって何が評価されているのか分からなかった。アグラッシュというのはこの世界ではただの愛玩動物ではないようであったが。
「54000ディナール!」
「54500ディナール!」
「そろそろ、締め切り近いあるよ! 今年度最高額が更新しているあるよ! これ以上はないか? 決まるであるよ!」
デブ氏は満面の笑みだった。出品者と落札者から支払われる手数料が最初にスタート価格の二倍もあるからだ。それだけで満足のようだった。そのときだった、それまで競い合いに参加していなかった可憐な声が会場に響いた。
「80000ディナール!」
その声に会場内はどよめいでいた。
「おい、アグラッシュのオスが5頭買えるぞ! なんてこったい」
セリ競い合って片方が頭を抱えていた。そして、デブ氏は宣言した。
「80000ディナール! 80000ディナール! 史上最高の金額が出たある! もうこれ以上はいないあるか? それじゃあ決定! 80000ディナールで決定!」
デブ氏に合わせるかのように会場はどよめいでいた。でも、なんで実績もないメス型アグラッシュにこんなに大きな金額を出そうとするのか疑問の声も上がっていた。しかもデブ氏の元に近寄って来た落札者が若い娘だと分かったのでなおさらだった。
「お嬢さん、よね? 君って80000ディナールって大金もっているのかい?失礼だけど?」
すると、娘は羽織っていたコートのようなものを脱いだ。コートの下から優雅な甲冑姿が露わになった。
「わたくしはこの国の今上国王の第三王女である! 必要なので落札した! 金は侍従のが持ってきているから問題ない! すみやかに、そのアグラッシュを引き取りたいから!」
それが、わたしのマスターとの出会いだった。そして冒険の始まりだった。
「35000ディナール!」
「36000ディナール!」
「さあ諸君! 今日の目玉商品あるよ! あとで後悔するぐらいなら、いまここで入手したまえ! 懐に余裕があるなら参加するあるよ!」
セリを主宰するデブは参加者にまくし立てていたが、実際に競い合っているのは二人だけだった。ほかの参加者は傍観しているだけだった。なぜ二人が競い合っているのか理由はよくわからなかった。
「49500ディナール!」
「51000ディナール!」
わたしにはディナールという貨幣の価値が分からなかったが、とてつもなく高額になっているのは分かった。それにしても、わたしって何が評価されているのか分からなかった。アグラッシュというのはこの世界ではただの愛玩動物ではないようであったが。
「54000ディナール!」
「54500ディナール!」
「そろそろ、締め切り近いあるよ! 今年度最高額が更新しているあるよ! これ以上はないか? 決まるであるよ!」
デブ氏は満面の笑みだった。出品者と落札者から支払われる手数料が最初にスタート価格の二倍もあるからだ。それだけで満足のようだった。そのときだった、それまで競い合いに参加していなかった可憐な声が会場に響いた。
「80000ディナール!」
その声に会場内はどよめいでいた。
「おい、アグラッシュのオスが5頭買えるぞ! なんてこったい」
セリ競い合って片方が頭を抱えていた。そして、デブ氏は宣言した。
「80000ディナール! 80000ディナール! 史上最高の金額が出たある! もうこれ以上はいないあるか? それじゃあ決定! 80000ディナールで決定!」
デブ氏に合わせるかのように会場はどよめいでいた。でも、なんで実績もないメス型アグラッシュにこんなに大きな金額を出そうとするのか疑問の声も上がっていた。しかもデブ氏の元に近寄って来た落札者が若い娘だと分かったのでなおさらだった。
「お嬢さん、よね? 君って80000ディナールって大金もっているのかい?失礼だけど?」
すると、娘は羽織っていたコートのようなものを脱いだ。コートの下から優雅な甲冑姿が露わになった。
「わたくしはこの国の今上国王の第三王女である! 必要なので落札した! 金は侍従のが持ってきているから問題ない! すみやかに、そのアグラッシュを引き取りたいから!」
それが、わたしのマスターとの出会いだった。そして冒険の始まりだった。
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