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(二)無断生産されたバトルスーツ
16.こんな時にかけるなよ!
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江藤家と津田家は都内の高級住宅街の隣同士で、むかしから娘達は仲が良かった。しかしその親同士は実は仲が悪かった。
美咲の父の津田錬二郎は与党の有力代議士であったが、まさか隣の家の実業家を優遇するわけにはいかないなどといって、いろいろと難癖をつけていた。だから苦々しくは思っていたけど、政治家としては公正なほうなので我慢していた。
そんな時に江藤社長の携帯電話が鳴った。無断製造されたバトルスーツ問題で忙しいのに誰だと思ったが、その津田錬二郎からの電話だった。
「おい江藤社長! 津田だが忙しいところすまんが聞きたい事があるんだが。うちの娘の美咲をそちらの会社のインターンシップに受け入れているんだって? さっき聞いたんだが、まさか危ない事はさせていないだろうな!」
「これはこれは先生。そのことでしたら娘に任せていまして、判りかねます。だって、そうでしょ! 社長のわたしが会社全体の事に責任を持たないといけないといっても、末端の現場の事までいちいち管理しきれませんから、要はわからないです! たぶん多分大丈夫じゃないですか? 美咲さんは」
「たぶんとは何だ! まあウチの可愛い娘だからといって特別扱いすることはないけどな。一体どんなインターンシップについているのか知らんけど、おたくのボツにしたバトルスーツを着せたりしてないだろうな!」
「ご冗談を、そんなことをするはず無いでしょ! あれは国家安全保障委員会の勧告で廃棄処分にしましたよ。まあ、少し惜しいとは思いましたがね」
「それもそうだな。わしは今国際会議出席のためブラジルに来ているからな。すぐに何かが起きても帰国できないから心配なので電話したんだよ」
「わかりました。美咲さんにとって良い社会勉強になるようにと現場には指示しますから、安心してください。それにしても、何かバトルスーツの事で気になることでもあるのですか?」
「じつはな、防衛省の幹部から不穏な動きがあると聞いたんだ。なんでも総理を拉致する計画があると。その実行部隊がおたくが開発したスーツを使うというんだよ、その情報源は。まあガセだとは思うけどな。
だってあれって価格だけ高くて使いにくいんだろ! マニアックになりすぎたそうだろ」
江藤社長はもっと突っ込んでその情報源について聞きたかったが、それよりも早くバトルスーツをどうにかしたかったので、突っ込むのを止めた。
「そんな噂があるのですか? わたしがするはず無いでしょ、そんな反逆行為は。でも、調べてみますよ。それよりも津田先生はいつ帰られるのですか?」
「まあ、途中で視察したりするから帰ってくるのは五日後だ。一応、耳に入れたからな、娘の事を頼んだぞ」
電話が終わったあと、こんなときにかけてくるんじゃねえよ津田のやつがと江藤社長は心の中で叫んでいた。その一方で榊原に対する疑念は深まった。榊原はクーデターを起こすつもりなんだと。しかし少数部隊が出来ることといったら何があるというのだろうか。
美咲の父の津田錬二郎は与党の有力代議士であったが、まさか隣の家の実業家を優遇するわけにはいかないなどといって、いろいろと難癖をつけていた。だから苦々しくは思っていたけど、政治家としては公正なほうなので我慢していた。
そんな時に江藤社長の携帯電話が鳴った。無断製造されたバトルスーツ問題で忙しいのに誰だと思ったが、その津田錬二郎からの電話だった。
「おい江藤社長! 津田だが忙しいところすまんが聞きたい事があるんだが。うちの娘の美咲をそちらの会社のインターンシップに受け入れているんだって? さっき聞いたんだが、まさか危ない事はさせていないだろうな!」
「これはこれは先生。そのことでしたら娘に任せていまして、判りかねます。だって、そうでしょ! 社長のわたしが会社全体の事に責任を持たないといけないといっても、末端の現場の事までいちいち管理しきれませんから、要はわからないです! たぶん多分大丈夫じゃないですか? 美咲さんは」
「たぶんとは何だ! まあウチの可愛い娘だからといって特別扱いすることはないけどな。一体どんなインターンシップについているのか知らんけど、おたくのボツにしたバトルスーツを着せたりしてないだろうな!」
「ご冗談を、そんなことをするはず無いでしょ! あれは国家安全保障委員会の勧告で廃棄処分にしましたよ。まあ、少し惜しいとは思いましたがね」
「それもそうだな。わしは今国際会議出席のためブラジルに来ているからな。すぐに何かが起きても帰国できないから心配なので電話したんだよ」
「わかりました。美咲さんにとって良い社会勉強になるようにと現場には指示しますから、安心してください。それにしても、何かバトルスーツの事で気になることでもあるのですか?」
「じつはな、防衛省の幹部から不穏な動きがあると聞いたんだ。なんでも総理を拉致する計画があると。その実行部隊がおたくが開発したスーツを使うというんだよ、その情報源は。まあガセだとは思うけどな。
だってあれって価格だけ高くて使いにくいんだろ! マニアックになりすぎたそうだろ」
江藤社長はもっと突っ込んでその情報源について聞きたかったが、それよりも早くバトルスーツをどうにかしたかったので、突っ込むのを止めた。
「そんな噂があるのですか? わたしがするはず無いでしょ、そんな反逆行為は。でも、調べてみますよ。それよりも津田先生はいつ帰られるのですか?」
「まあ、途中で視察したりするから帰ってくるのは五日後だ。一応、耳に入れたからな、娘の事を頼んだぞ」
電話が終わったあと、こんなときにかけてくるんじゃねえよ津田のやつがと江藤社長は心の中で叫んでいた。その一方で榊原に対する疑念は深まった。榊原はクーデターを起こすつもりなんだと。しかし少数部隊が出来ることといったら何があるというのだろうか。
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