元ホームレス・タクヤとネコ耳娘アサミ魔道伝:Re

ジャン・幸田

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第一章:気が付いたらネコになっていたアサミ

009.前世の記憶へのアクセス

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 アサミは今の姿をみるため鏡を首から下にかざしていた衣装は可愛らしいワンピースにジャケット、可愛らしいスカートであった。

 「アサミさん。その姿は前世の人間として最期の瞬間着ていたものと一緒なのですよ。もっとも、それは完全体だったと気のですわ」

 「完全体?」

 アサミはなんの意味かを読み解こうとしていた。するとこんなことに気付いた。最期を迎えた原因は病気ではないと。

 「あなたが亡くなったのは・・・テロに巻き込まれて身体が四散したからです」


 「四散?」

 その時アサミは仲間のネコの最期を思い出していた。よくすることであるが、道路を猛スピードで横断しようとしてトラックや乗用車なんかに轢かれ散華するのを。その場合にはボロ布のような無残な姿に変わり果てていた。

 「ええ、四散する直前まであなたの将来の運命は明るかったのです。しかし・・・手違いが起きてしまい死ななければならなくなったのです、その他の大勢の人と・・・」

 「一体どういう意味なんですか、それって?」

 アサミがいうと突然イリスは何か言いにくそうな雰囲気になって、なにやらブツブツ言っていた。それはどうも上司とでも相談しているような雰囲気だった。しばらくしてからやり取りが終わったらしく再開してくれた。

 「まあ、この世の中というのは不確定要素が作用するという事も数多くありまして、あなた方が神だの仏だのといって全知全能な存在と言えども誤った事が起きるわけです。この世界でいえばコンピューターがプログラムのバクで誤作動が起きたわけです、つまり想定外の要素でテロが起きたわけで・・・まあ人々の悪意が犯罪だの戦争だのを引き起こすのと一緒でして・・・」

 イリスの説明は弁解に終始しているようにアサミは感じたが、もう永川亜佐美という人間は存在しないというのだけは分かった。死んでしまったという事らしい。

 「分かりました! ではどうやって死んだのですか? あんまりロクな死に方ではなかったようですが、なにか私悪い行いでもいていたというのですか?」

 「い、いえ! 因果応報という言い方も出来ますがあなたはそんな償わないといけない原罪は亜佐美さんとしては背負っておられませんでした、原罪を背負っていた方の・・・」

 そこまで言ったところでイリスは自分の口に手を添えて塞いでしまった。どうもなにか都合の悪い事でもあったようだけど、アサミは触れないでおこうと考え追求しなかった。するとイリスはアサミの額に手を添えた。

 「アサミさん。これからお見せするのは永川亜佐美さんの最期の一日の体験です。辛いと思いますが我慢してください・・・」

 アサミは魂の中に存在する記憶の海へと意識が沈んでいく想いがした。それは悲しい人生の終わりの日であった・・・
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