21 / 166
第一章:気が付いたらネコになっていたアサミ
021.家族の会話
しおりを挟む
わたしが死んだのはグロヴァル・コスモリアンによる航空テロだというのは知っていたけど、いったいなにが目的だったのか? それは知らなかった。人間死んで天国に行ったら生前わからなかった真実がわかるという話を聞いたことがあったけど、今の私には天国の記憶がなかった。どうも永川亜佐美の魂の記憶が甦ったのでリセットされたようだった。
「先月、グロヴァル・コスモリアンの指導者だった男が自己批判した上で全ての悪事を懺悔さんげし構成員の洗脳を解いて当局に投降しただろ!
これでテロ戦争も終結したというのに、その復讐といわんばかりいにグロヴァル・コスモリアンの構成員を復讐と称して殺害しているだろ! いくら恨みがあっても、相手が人殺しをしたから人殺しをしてもかまわないということはないはずだ。汝、殺す無かれというわけさ。だから参加しているんだ」
「でも姉さんはどう思っているんだろう? 姉さんはあの飛行機に乗っていたのは間違いないのに見つかっていないから、どこかで生きているかもしれないと信じたかったけど・・・美保子さんは無残な姿だったけど見つかったというのに・・・」
「それは言わないでほしい奈緒美! 井之頭くんはわしのゼミ生だったんだぞ。あの人は卒業式の後の謝恩会をするんだといって張り切っていたのに・・・今でも思うんだよ。あの日亜佐美の誕生日だったから出発は後日にしてくれって言えばよかったのにと。彼女の両親もワシも慙愧ざんきの念に耐え切れなかった・・・でも全ては通り過ぎた事だ・・・そうだ、お前も同じ思いをしたんだよな。しかも婚約者まで同じようにグロヴァル・コスモリアンに奪われたんだし」
「父さん! いいよもうそれは。ここで悔やんだって姉さんもあの人も戻ってくることはないのだから!」
わたしは父が深く後悔している事を知り悲しかった。本当は泣き出したかったが、ネコの身体では泣き出してもうるさいだけだから我慢していた。
それにしてもグロヴァル・コスモリアンって何者だったんだろう? たしかイリスさんは強制的にそのミームを排除したといったけど、それってなんのことだったんだろうか? もしかすると諸悪の根源の生命体かなにかが指導者に憑依していたというのだろうか。
「それよりも父さん。早くしないと拓郎さんが来るよ。今日は私と結婚の報告をしにくるのだから。彼だって兄をテロで失ったのは一緒なんだし。もうその話題はやめにしましょう」
そういうと奈緒美はキッチンに立ったが、その胸にかけたエプロンは古くなっていたがわたしがいつも使っていたお気に入りのエプロンだった。
「このエプロンをつけるとお姉さんと一緒にいるみたいで気が引き締まるのよ! さあやりましょうねお父さん」
「先月、グロヴァル・コスモリアンの指導者だった男が自己批判した上で全ての悪事を懺悔さんげし構成員の洗脳を解いて当局に投降しただろ!
これでテロ戦争も終結したというのに、その復讐といわんばかりいにグロヴァル・コスモリアンの構成員を復讐と称して殺害しているだろ! いくら恨みがあっても、相手が人殺しをしたから人殺しをしてもかまわないということはないはずだ。汝、殺す無かれというわけさ。だから参加しているんだ」
「でも姉さんはどう思っているんだろう? 姉さんはあの飛行機に乗っていたのは間違いないのに見つかっていないから、どこかで生きているかもしれないと信じたかったけど・・・美保子さんは無残な姿だったけど見つかったというのに・・・」
「それは言わないでほしい奈緒美! 井之頭くんはわしのゼミ生だったんだぞ。あの人は卒業式の後の謝恩会をするんだといって張り切っていたのに・・・今でも思うんだよ。あの日亜佐美の誕生日だったから出発は後日にしてくれって言えばよかったのにと。彼女の両親もワシも慙愧ざんきの念に耐え切れなかった・・・でも全ては通り過ぎた事だ・・・そうだ、お前も同じ思いをしたんだよな。しかも婚約者まで同じようにグロヴァル・コスモリアンに奪われたんだし」
「父さん! いいよもうそれは。ここで悔やんだって姉さんもあの人も戻ってくることはないのだから!」
わたしは父が深く後悔している事を知り悲しかった。本当は泣き出したかったが、ネコの身体では泣き出してもうるさいだけだから我慢していた。
それにしてもグロヴァル・コスモリアンって何者だったんだろう? たしかイリスさんは強制的にそのミームを排除したといったけど、それってなんのことだったんだろうか? もしかすると諸悪の根源の生命体かなにかが指導者に憑依していたというのだろうか。
「それよりも父さん。早くしないと拓郎さんが来るよ。今日は私と結婚の報告をしにくるのだから。彼だって兄をテロで失ったのは一緒なんだし。もうその話題はやめにしましょう」
そういうと奈緒美はキッチンに立ったが、その胸にかけたエプロンは古くなっていたがわたしがいつも使っていたお気に入りのエプロンだった。
「このエプロンをつけるとお姉さんと一緒にいるみたいで気が引き締まるのよ! さあやりましょうねお父さん」
0
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【新作】1分で読める! SFショートショート
Grisly
ファンタジー
❤️⭐️感想お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐️忘れずに!コメントお待ちしております。
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
無自覚チートで無双する気はなかったのに、小石を投げたら山が崩れ、クシャミをしたら魔王が滅びた。俺はただ、平穏に暮らしたいだけなんです!
黒崎隼人
ファンタジー
トラックに轢かれ、平凡な人生を終えたはずのサラリーマン、ユウキ。彼が次に目覚めたのは、剣と魔法の異世界だった。
「あれ?なんか身体が軽いな」
その程度の認識で放った小石が岩を砕き、ただのジャンプが木々を越える。本人は自分の異常さに全く気づかないまま、ゴブリンを避けようとして一撃でなぎ倒し、怪我人を見つけて「血、止まらないかな」と願えば傷が癒える。
これは、自分の持つ規格外の力に一切気づかない男が、善意と天然で周囲の度肝を抜き、勘違いされながら意図せず英雄へと成り上がっていく、無自覚無双ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる