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(3)機ぐるみ着せられた!

看護師ロボ

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 目の前に現れたのはマリアンと同じように胸に赤十字のマークを付けた看護師ロボだった。ロボットスーツ装着士を名乗るマリアンとは違いボディはホワイトカラー基調だった。

 「あんたたちも人間だったの? そんな機械の体にされて本当に良かったのよ?」

 私は看護師ロボに聞いたが、表情が変わるわけでもなかった。でもよく見ると微妙に体型が違っており、量産型というよりも特注型のロボットのようであったが、個性を感じるようなボディラインなので「材料」は人間の女性のようだった。

 「波瀬瑠璃花さん、もうすぐあなたも私たちの仲間になるのよ。でも、その前にマリア式の機ぐるみを着ましょうね。そうすれば仲間になれるわよ。私たちも、そうやって機械の身体になったのですから」

 やはり、彼女らも元は人間だったようだ! その事実をつきつかれ私は愕然となった。

 「ちょっとまってよ、あんたらはマリア式の機ぐるみを着せられた後に改造されたわけなの?」

 「そうですよ! マリア式の着ぐるみは機械化人類になる第一歩なのです。そこのマリアン様が開発した成果です。
 それに、この看護師ロボスーツ、素敵でしょ? このスーツを着ていると人類も機械も越えた機械化人類になった誇りに溢れていて、嬉しくってしかたないですわよ。
 まあ、あなたはマリア式四十番台ですから、看護師ロボスーツは着る事にはなりませんけど」

 目の前の看護師ロボいや、看護師ロボスーツを着せられた女はシャアシャアと言っていた。それにしても、そんな事を言うのはやはり洗脳された結果だろうと思っていたけど・・・私も、あんな機械フェチ女にされると思うと、気が重くなってしまった。

 「あんたらみたいな機械フェチにされるなんて嫌だ! 私の身体は一体なんだというのよ! 答えろよ!」

 私はぶち切れてしまった。すると看護師ロボの一人が私に抱きついてきて、愛撫するようにいった。

 「それはねえ、あなたは生まれ変わるのよ。人間という存在から次のステージに向かうための。わたしも最初は嫌だったけど、いまではこんな身体になったことを感謝しているわ。あなたも分かるよすぐに」

 そういって看護師ロボの胸が私の顔と密着させた。その胸からは硬質な材質に覆われているのに人の温もりを感じていた。

 「さあさあ、遊んでなくてその娘をマリア式47号の機ぐるみを装着する準備をしなさい! そのジャジャ馬を順応な機械で覆いなさい!」

 マリアンの少し怒った様な声が聞こえてきたので、看護師ロボは私の身体を持ち上げてしまった。
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