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(4)マリア式47号起動!

マリア式同士の営み

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 マリア式はナンバーによって細かく改造される目的が違っていた。そのスーツは1号から155号まであるが、それぞれには予備機も存在することもあるので200体存在していた。だから一度に200人を「調整」することが可能だった。もっともメンテナンスに入っていたりするので通常は30人から50人前後がマリア式による「調整」を受けていた。

 47号は汎用型になるはずだったが92号は決まっていた。いわゆるセクサロイドの素体になることに。だから無駄な自我は必要なかったし、場面場面で切り替わるほうがのぞましかった。ただ、情勢らしい反応までは実際の人間の方が感情豊かに表現できるので、完全になくすわけではなかったが。

 47号は92号に責められ始めた。素体は処女だったが、機械に覆われているというのに人間だった時以上に感じていた。ただ、喘ぎ声は出せなかった。なぜか人工音声がオフになってしまったからだ。

 47号はそれはまるで仄かに暗いどこかに閉じ込められたかのように見えた。自分の身体は黒い外骨格に覆われているし、責める相手も同じように見えていた。相手も自分ももう生身の人間ではなかった!

 結局AYAKAに言われるまま47号は夜遅くなるまで92号に加え、さらに「数体」のマリア式と交わっていた。そのようにするのはマリア式に内蔵されている女性の素体化がスムーズに進行するためであった。性的に興奮していると細胞が活発化しているからだ。

 47号は考えていた。瑠璃花は部品にされたのだと。今はカザマツ・ファクトリー社ガイノイド・ファクトリー部門東日本工場製マリア式ガイノイド47号マーク7。製造番号はKFG10385に内蔵されているのだ。いまこうして他の哀れなマリア式と性的な交わりをすることしか、自分が人間で「あった」事を確認できなくなっていたのだ。

 その営みも終わり、47号らマリア式はロッカーのような部屋に集められた。もちろん勝手に身体が動くのだ。もうロボット扱いでしかなくなっていたのだ。47号の向かった部屋には18号。89号、92号。そして151号がいた。彼女らは番号順に収納ラックに入れられ始めた。

 まず18号が収納ラックに入った。手足に拘束具がはめられると、股間と頭部にチューブのようなものが差し込まtれた。そして奥にいれられていった。
 
 続いて47号の番になった。手足が拘束されると股間にチューブが入れられた。それは排泄物の処理用プローグだった。残された生体のメンテナンスが行われた。次いで頭部が覆われたが、それは電脳化が進む脳漿の確認作業だった。
 身体の胴体と頭部がいじられる感覚に嫌悪感を感じていたが、それもやがて反応が無くなってしまった。電脳がシャットアウトされたからだ。
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