【完結】ワニ女として飼育されて・・・

ジャン・幸田

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完全に

記憶が

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 ワニにされた少女! それを動物園を訪れる人に知らせる術はなかった。それにだんだんと身体がワニの中に溶け込んでしまったのと同じように人間だったという記憶も薄らいできた。そのまま消えてしまえばそっちのほうが幸せなのに、記憶が蘇るのだ毎晩、職員と園長によって。

 「もう、こいつはワニになったんだろ? そしたら襲う事もあるだろうが、問題なく制御しているだろうな」

 園長は職員に尋ねていた。なんで、こんなことを私にしたの! そう憤っていても身体は動かなかった。私の人間だった身体は完全に溶けてしまったが、痕跡があった。それは脳と生殖器だ。なぜわかるかというと、意識は残っているし、目の前にいる連中にいたぶられるから!

 折檻と虐待を受けたのち、小さな新聞記事を見せられた。それにはこうあった。

 「6日、北海道W町にあるS山中で先月16日に発見された白骨遺体の一部について、警察はDNA鑑定で二か月前に失踪したB市在住の女子生徒(17)であると発表した。失踪した女子生徒は昨年問題になったB市立高校イジメ自殺事件の加害首謀者として遺族から訴えられており、それを苦にして自殺したとみられている」

 その女子生徒ってもしかして・・・


 「これで、お前は人間に戻れないぞ! 死んだことになったからな。わざわざ、お前の不要になった骨を摘出して放置していたのさ! お前のせいで娘が・・・」

 そういって園長は持っていたステッキでぶん殴ってきた。そのとき、ある記憶が蘇った。たしかウザいとおもってクラス全員でイジメていた女がいて、その女の親が市内有数の資産家でたしか動物園を!

 そのとき、ようやくこれがイジメた女の遺族からの報復だと気付いた! でも、それってやり過ぎじゃないのよ! 勝手に自殺しただけなのに! 転校でもなんでもすりゃよかったのに! そんな憤りを感じていた。でも、それをぶつける事はもう出来なかった。ワニにされたから!

 「ふん! お前はなんて理不尽なのよ! うちの娘が悪い! なんて思っているだろうが、わからないだろ! お前の親も親だな。娘を失った親の気持ちなんて分からないし、関係ないと言い放ったからな。でも、これで分かっただろうな、お前の両親は。まあ、わしんところに責め過ぎたから悪いなんて言いがかりしてきたけど、わかっちゃないなあ。お前はワニになったからな」

 そういいながら園長はステッキで殴り続けた。ワニの分厚い皮膚であっても、ダメージがありそうなほど、何度も。
 
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