最強冒険者を決める大会に出てみよう!

一樹

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 「あ、ニュース見ましたよー。
 まさかこの手で見つけてくるとは驚きです」

 役所の受け付け嬢は、穏やかな笑みを浮かべて闘技大会の申し込みに来たイオに、そう声をかけた。

 「はい、なんとか仲間を見つけられて一安心ですよ」
 
 そう受け答えをしつつ、イオは渡された端末に表示された項目に必要事項を記入していく。
 その背後では、設置された長椅子に座ってぼんやりしているザクロの姿。
 受付嬢はそんなザクロをちらりと見て、イオに視線を戻す。
 同時に必要事項の記入が終わったようで、イオが受付嬢に端末を返す。
 ミスがないか等を受付嬢がチェックする。
 すると、とある欄に目が止まり、イオを改めて見た。
 その視線を受けて、イオが冒険者ライセンスを取り出そうとするが、

 「あ、大丈夫ですよ。イオさんのような人も参加するんで。
 体格、というか骨格でわかります」

 「え、凄いですね」

 「まぁ、毎日見てれば目は養われますから。
 はい、大丈夫ですよ。闘技大会への参加を受け付けました。
 メンバーが追加されるようなら、また手続きに来てくださいね」

 「はい、わかりました」

 「それではこれが参加証です。
 無くさないようにお気をつけ下さい。
 万が一、無くされた場合はこの度の闘技大会参加資は格剥奪となります」

 「厳しいですね」

 「以前、参加者の参加証を盗んで身分を偽って参加した不届き者がいたんですよ。
 それ故の処置ですので、ご理解ください」

 「なるほど」

 「あぁ、それと、予選についての説明は必要でしょうか?」

 「はい、念の為にお願いします」

 イオの言葉に、受付嬢は予め用意していた闘技大会の説明用のパネルを出してくる。
 パネルにはわかりやすく図説が載っている。
 それを見せながら、予選についての説明を始めた。

 闘技大会の予選とは、大会運営が指定したダンジョンに挑戦し攻略することである。
 この場合のダンジョンとは、すなわち冒険者用訓練施設のことである。
 本来の意味での過去の遺物である、モンスター蠢くダンジョンではなく、ダンジョンマスターと呼ばれる人達が管理、運営している施設のことだ。
 スポーツジムの冒険者版、もしくは冒険者用のレジャー施設といえば分かりやすいかもしれない。
 指定されたダンジョンは、全部で五つ。
 その五つ全てを攻略し、ダンジョンマスターから攻略の証であるメダルを貰うことが予選突破の条件である。
 期限は本戦開始の一ヶ月前まで。
 今日この日から、約半年後までに全てのダンジョンを攻略しなければいけない。
 
 「こちらが各ダンジョンの住所と最寄りの交通機関のパンフレットです。
 帝都からはだいぶ離れている場所も指定されていますので、時間に余裕をもって臨まれるのがいいかと思います。
 たまに、近いところから攻略して遠いところを後回しにしてたら、期限切れになった、なんて方もいますから。
 それと、あくまでパーティとしてダンジョン攻略をカウントしますので、人数が追加になっても全員が全員五つ攻略してなくても大丈夫ですよ」

 「なるほどわかりました」

 「あ、それとパーティ名、なんですけど」

 また受付嬢はちらりとザクロを見た。
 そして、イオに視線を戻すと、続けた。

 「はい?」

 「こちらは一度登録すると変更出来ませんが、よろしいですか?」

 「あ、はい!
 大丈夫です!!」

 「承りました。
 それでは、【元奴隷王のモフモフを愛で隊】で登録を」

 そこで、他ならない元奴隷王ことザクロが『待った』をかけた。
 受付嬢が読み上げたパーティ名が聞こえたのだ。
 少々荒い声で叫んだザクロは、長椅子から立ち上がり、ヅカヅカと受付までくると拳を振り上げ、イオに向かって振り下ろした。
 それを、イオはサラリと避ける。

 「なんだよ? 元奴隷王?」

 「ふざけんなっ!! なんだそのパーティ名は!?」

 「モフモフは世界を救うだろ。犬や猫のモフモフがあれば世界平和だって夢じゃないと思うんだ。
 あ、登録それでお願いします」

 「やめろ! 登録すんな!!」

 「お前ワガママ言うなよ、受付のお姉さん困ってんじゃん」

 言いながら、イオがザクロの頭に手を伸ばしてガシッと掴むとそのまま勢いよく床に叩きつけた。

 「がっ!」

 衝撃と痛みに、ザクロが呻く。
 手でザクロの頭を押さえつけたまま、イオは彼に言う。

 「それと、なにか勘違いしてるかもしんないから言っておくぞ。
 お前は今現在、俺に飼われてるんだ。
 お前は俺に負けた。
 そして、飼い主がコロシアムの運営から俺になった。
 それだけだ。たしかに、俺はお前のことをだと思ってる。
 でも、それはそれ、これはこれだ。
 誰が主人か言ってみろ、犬コロザクロ

 というゴタゴタの後、結局パーティ名は少し短くなってしまった。

 「それでは、【モフモフ団】で登録してもよろしいでしょうか?」

 「はい、お願いします」

 いい笑顔で返すイオの横で、ザクロがムスッとした顔をしたが何も言わなかった。
 それから、二人はイオが滞在しているホテルへ向かい、受付で一人人数が増えたことを伝えて、もう一つ部屋を用意するよう頼んだ。
 そのやり取りを見て、ザクロが皮肉をこめて言った。

 「ペットを手元に置いておかなくていいのかよ。
 誰彼構わず噛み付くかもだろ」

 「言葉のあやを根に持つなんて、女々しいやつだなお前。
 ちなみに、女々しいって言葉は男のためにある言葉なんだぞ」

 「ケッ」

 「それに、部屋一緒だと俺が嫌なんだよ。
 よく知りもしないやつとベッドを共になんて気持ち悪い」

 「そりゃこっちの台詞だ」

 プライベートを守るためのイオなりの配慮なのだとザクロは気づいていたが、素直に受け取れるほど人間ができていないので、そんな憎まれ口を叩く。
 食事もルームサービスでそれぞれの部屋へ届くよう、受付で頼んでおく。

 「ま、ペット云々は抜きにして、お前金無いだろ」

 用意してもらった部屋は、ホテル側が気を利かせてくれたのかイオのとっている部屋の隣だった。
 案内してくれた従業員が、簡単な部屋の説明をしてさっさと去っていった。
 他の客もいるだろうに、この廊下にいて立ち話をしているのはイオとザクロだけであった。
 
 
 「それがなんだよ?」

 「ほれ、小遣い。
 ま、仲間になってくれたし久々の外だろ。
 俺が世話になった先生が言ってたんだけどな、健全な成人男性は夜の街で女の人と遊ぶんだろ?
 景気づけに遊んできていいぞ」

 「余計なお世話だ!!」

 怒鳴りつつも、イオが差し出した帝国内で使える紙幣を、ザクロは奪うように手にする。
 
 「でも、金はちゃんと貰うんだな。
 よしよし、素直なやつは好きだぞ、俺。
 あ、念の為に言っておくと、予選のダンジョン攻略は金貰えないからな。つまり、稼げない。
 だから、並行してクエスト受注して働くから。
 賃金は、時給換算。
 あとでちゃんとした雇用契約書渡すから、サインしてくれ」

 言うだけ言って、イオは自分の部屋へと入っていく。
 それを呆然とザクロは見送って、それから握った紙幣を見た。
 ガシガシと頭をかいて、彼も部屋へ入った。
 ほとんど荷物はない彼は、身一つでここへ連れてこられた。
 半日前では考えられないことである。
 そして、信用なのかなんなのか、イオはある程度の自由をザクロに与えてしまった。
 常識があるのか無いのかよくわからない。
 ザクロのような犯罪奴隷が本当に何もしないとでも思っているのだろうか。
 それとも、実力主義を謳うこの国の住民であるザクロなので、負かしたイオに迷惑をかけることはないとでも思っているのか。
 コロシアムという、地獄に放り込まれて二年。
 この二年の間にすっかり血が染み付いたザクロは、今ならそれこそ人が簡単に殺せるようになってしまった。
 紙幣を握りしめた手を見る。
 そこには、血はついていない。
 イオと殴りあった時、そして、イオがザクロの剣を握って手を切った時。
 滴った血で、その手は染まった。
 イオだけではない。
 コロシアムで対戦してきた相手、その相手の血が手につき、衣装にこびりつき、その度にシャワーを浴びて落としているはずなのに、まったく落とせている気がしない。
 血を吸い、染み込んだ、そんな血みどろの汚れた手でザクロは、紙幣を握りしめる。
 それを乱暴にズボンのポケットに突っ込んで、ザクロは綺麗に整えられたベッドに横になった。
 酷い半日だった。
 しかし、劇的な半日だった。
 そんなことを考えていると、ほどなく睡魔がやってきた。
 どうやら、思っていた以上にザクロは疲れていたようだ。
 ゆっくりと瞼が落ちてくる。

 (目が覚めて、全部が夢だったりしたら、嫌だな)

 意識が眠気に負ける直前、ザクロはそんなことを内心で呟いた。

***

 「あー、やっぱりいないか」

 行きつけの喫茶店に足を踏み入れて、席に座りながら、イオにサインを強請った男性――アーサーは、そう呟いた。
 この喫茶店は夜も営業しているのだ。
 その連れは、あの人懐っこそうな、イオにご飯を奢ると約束した男性――ヴァンである。
 給料日直後であり、家に帰っても独り身であるし、夕食をつくるのも面倒な彼らはこうしてこの店でよく外食をしているのだ。

 「ま、明日って言ったからな」

 ボックス席で、テーブルを挟んで座る。
 メニュー表を見ながらヴァンは答えた。
 ちなみにこの店は、昼とは違う夜にしか出ないメニューもあるのだ。
 
 「掲示板チェックしてたら、結構話題になってたぞ」

 アーサーの楽しそうな言葉に、ヴァンは呆れたと言わんばかりに息を吐き出した。

 「ちゃんと仕事しろよ。
 課長のハゲがさらにハゲ散らかるだろ」

 「してるしてる。給料分はきちんと働いてますよ」

 「……あちこちのWebニュースでも出てたからな。
 もしかしたら、駅周辺だと号外くらい出たかもな」

 「明日が楽しみだなぁ。
 奴隷王を、絶対連れてくるだろ。
 いやぁ、奴隷王を倒して仲間にしたイオさんも凄いけど、ヴァンも負けてないなぁ。
 奴隷王にもご飯奢ることになるなんて」

 実にアーサーは楽しそうである。
 アーサーもメニューを見始める。
 程なくして、二人とも料理が決まる。
 店員を呼んで、料理を注文し追えると、アーサーは掲示板で見かけたことについてヴァンに話し始めた。

 「でも、奴隷王の事件はかなり興味深いな」

 「?」

 「奴隷王、嵌められたって話があるらしい」

 「…………」

 「ま、だろうなとは思ってたけどな」

 アーサーは奴隷王の事件について概要を説明した上で、掲示板に書き込まれていた内容についても教える。

 「なるほどなぁ」

 アーサーからの説明を聞いて、ヴァンは適当な相槌を打つ。

 「でもさ、俺らにどうにか出来ることでもないだろ。
 そもそも、噂は噂。たしかに疑惑にはうってつけの人材が話には出てきてはいる。
 でも、それで無罪を証明するのは無理だろ。
 また潰されるのがオチだ」

 「……無罪を証明する必要なんてない。
 なかった事に出来ればそれでいいからな」

 「というと?」

 「これも掲示板で話題にあがったんだけどな。
 過去、闘技大会に出て優勝した人の中には、犯罪者がいたこともあるんだ。
 で、その人は無実を訴えてたけど結局有罪になった。
 その人は懲役刑を受けて、刑務所から出てきた。
 出てきた後、闘技大会に参加して文字通り、どんな願いでも叶えてくれるという約束通り、その人は本当のところはどうであれ、自分の有罪となった経歴を書類上は抹消することに成功したことがある」

 「で?」

 「いや。明日イオさんにその事を教えてあげようかなって思って。
 奴隷王がいたら、彼にも教えようとは思う」

 「お節介だなぁ」

 苦笑しながら、ヴァンが言った時料理が運ばれてきた。
 料理が並んで、店員の確認が終わり、去っていくと同時に二人は食べ始める、
 食べながら、ヴァンがなんとはなしにアーサーへ言った。

 「どうせならお節介ついでに、その奴隷王の元仲間の現在でも調べたらどうだ?
 お前、得意だろ、そういうの」

 なにしろアーサーは、今でこそ引退して掲示板ではROM専となっているが、かつては趣味としてそしてのっぴきならない事情から特定班、もしくは特定厨として活動していたことがあるのだ。
 それは冗談が九割以上含まれた一言だった。
 しかし、アーサーが持っていたナイフやらフォークやらを置いて、パンっと手を叩いかと思うと、ヴァンへ返した。

 「なるほど、その手があった」 


 
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