ほんわか騎士団首都日誌 ~無自覚美少年と筋肉幼馴染のすれ違いな日常~

kei

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騎士団員たちの騒がしい日常-6-

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ルシェファンの毎日は、相変わらず厨房から始まる。
新作の焼き菓子を試したり、煮込みに新しい香草を加えてみたり――厨房にいるときは、すっかり普段通り。

「ルシェファン、今日もすごく美味しかったぞ!」
「おかわりある?」
寮生たちが口々に褒め、皿はあっという間に空になる。ルシェファンは笑顔で次の料理を運び出す。

けれど――食堂の入口で、背の高い影と鉢合わせた瞬間。
「……シェ、シェガラン!」
手にしていたトレイを少し持ち直し、目を逸らしてしまう。
「そんなに慌てなくても…落ち着け」
苦笑しながらトレイを受け取るシェガランに、ルシェファンの耳はすぐ真っ赤になった。



夜になると、また一つ悩みがあった。
「えっと……シェガラン。今日は、別々に寝よ?」
ベッドに腰掛けながら、おずおずと切り出す。
「……」
返事の代わりに、ベッドに潜り込んできたシェガランの腕が背中からまわる。

「わ、わぁぁ……! やっぱり一緒に寝るんだね……」
抗議の言葉は最後まで言えず、ルシェファンの体はあっという間に包まれる。
温かい吐息が首筋にかかり、心臓が落ち着かない。
――けれど、このままじゃないと眠れない自分にも気付いてしまい、余計に顔が熱くなるのだった。



ある日、厨房から運んだパンケーキをシェガランが食堂で頬張っていた。
「……どう?」
勇気を出して聞くと、
「甘すぎず、ちょうどいい。美味い」
と短く返される。

その言葉だけでルシェファンは満面の笑みを浮かべ、しかしその数秒後には視線を逸らしてモジモジ。
「ど、どうして僕、シェガランの前だと挙動不審になるんだろ……」
そんな独り言を呟きながら、顔を覆って赤くなってしまう。


周りの寮生たちは、そんな二人を見てニヤニヤ。
「相変わらずだなぁ、あの夫婦」
「いや、最近はさらに甘くなってる気がするぞ」
冷やかしの声が飛ぶ中、本人たちは「ぎこちないけど幸せ」な日々を積み重ねていくのだった。
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