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しおりを挟む「俺の部屋は和室だから、布団だぞ。いいのか?」
「かえって新鮮~」
今度、長兄の洋間を片付けて、ベッドを使えるようにしておこう。
そう考えながら、紫苑は押し入れから布団を出した。
「紫苑の部屋、初めて入る。嬉しいな」
「そ、そうかよ」
畳に襖、サッシにはカーテンの代わりに障子。
家具も木調のものが多く、温かな印象を波留は受けた。
優しい紫苑の部屋だから、優しい感じの部屋。
きょろきょろしていると、後ろから紫苑が声を掛けてきた。
「あの、さ。先に渡しとくけど」
「何?」
「クリスマスプレゼント」
「ええっ!? 嬉しい、ありがとう!」
急いでラッピングを解くと、中からはポップなベルトの時計が出てきた。
「わあ、腕時計だぁ! 小林くんが選んでたやつ!」
「お前、欲しいって言ってたろ」
ベルトの色は、明るい黄色だった。
元気の出る色だ。
「ありがとう、紫苑。大切にするね」
そう言う波留も、リュックから何か取り出した。
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