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しおりを挟むキスしてる。
俺は、波留とキスしてる。
ホントに、波留と……。
「ね、紫苑」
「え?」
「目ぇ、閉じないの?」
「あ、えっと。閉じた方が、いい?」
俺、今夜はずっと波留を見ていたいから。
そんな風に、紫苑は素直に心を言葉にした。
「じゃあ、いいよ。ちょっと、恥ずかしいけど」
「じゃ、もう一回、キス」
「ん。ぅん、っふ。う、んん……」
紫苑は波留の柔らかな唇を食みながら、その細い舌を味わいながら、部屋着のボタンをていねいに外していった。
白い首筋、華奢な肩。
細い鎖骨に、小さな乳首。
夢にまで見た波留の全てが、今紫苑の手の中にある。
「あ、ん、ぅんっ。はぁ、あ、紫苑っ」
甘くこぼれる声も、俺の名を呼んでくれる。
「波留。好きだ、波留……ッ」
「紫苑、僕も。僕も、紫苑が好き。大好き」
ああ、やっと聞けた。
波留からの、俺が好きだという言葉。
紫苑の胸は、歓喜に張り裂けそうだった。
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