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しおりを挟む獣の姿勢で貫かれ、青葉はくぐもった悲鳴を上げていた。
両手で枕を抱え、顔を埋めて啼き叫んでいた。
「……さま。智貴さまぁあ!」
よく耳を澄ませなければ聞こえない、そんな声にならない声。
だが青葉の心を知る芳樹の耳は、さとくそれを拾っていた。
「どうかな、青葉。気持ちが悦いかい?」
智貴の言いそうなセリフを、あえて口にした。
「あっ、あ! はぁ、はぁ、あぁ! 智貴さま。智貴さまぁ!」
これは罰だ、と芳樹は考えていた。
私に落ちてきた、天罰。
安藤さんから無理に青葉を引きはがした私への、天罰。
賢い青葉には、解っていたのだろう。
今夜私に抱かれて、無意識のうちに呼ぶのは安藤さんの名前だ、ってことが。
(だから、バックを望んだ。声が漏れないようにするために)
今自分を抱いているのは、大好きな智貴さま。
そんな風に、青葉は考えているんだろう。
だが、彼を責めることはできない。
そう仕向けたのは、他でもない私なんだから。
それでも射精感は湧いてくる。
萎えるどころか、いきり立ってくる。
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