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しおりを挟むこれで会うのは二度目となる怜は、初めて会った時よりソフトなイメージを芳樹に抱かせた。
身にまとうスーツのせいもあるだろうが、彼が青葉の兄である、という事実が芳樹の心に穏やかなフィルターを掛けていた。
愛する人の兄と思えば、邪険にはできない。
食事をしながら、芳樹は怜に青葉の影を見ていた。
「こうやって、僕のお誘いを受けてくれるということは、お見合いは順調、と考えてもいいのですか?」
「まさか、年下の君の方から声がかかるとは思わなかったよ」
芳樹は笑顔のままそう言ったが、続く言葉は忘れなかった。
「まだ、会うのは二度目。お見合いというものは、そう簡単に決まりはしない」
「僕は、七浦さんに好感をいだいています。それでも、ですか?」
芳樹は舌を巻いた。
(確かに見た目は青葉と同じだが、その性格は一緒とは限らないな)
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