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 青葉と怜は一卵性双生児なので、全く同じ型の骨髄だ。
 理想的な、ドナーといえよう。
 しかも、移植による副作用もない。
 だがね、と久保は釘を刺した。
「再発の危険性が皆無なわけじゃない。そこは、承知しておいてくれ」
「解った。青葉、よかったな! 治るんだよ、君は!」
「……青葉くん、寝てるよ」
「あれ?」
 疲れやすい体の青葉は、久保の話を最後まで聞くことなく寝入ってしまったのだ。
 すっかり軽くなってしまった青葉の体をベッドに整え、芳樹は優しく掛布を上げた。
「今すぐ、彼の双子の兄に連絡するよ」
「そうしてくれ。一刻も早い方がいい」
 久保の顔も、久々に晴れやかだ。
 芳樹は病室を出ると、通話可能なエリアへ行って怜に電話を掛けた。
 希望の光が見えたのだ。
 芳樹は、まだかまだかと怜が電話に出るのを待った。
 彼からの応答がこんなに待ち遠しいのは、初めてだった。


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