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しおりを挟むいいな~、いいな~、青葉はいいな~。
でたらめな歌を歌いながら、怜は青葉の額をこづいた。
「芳樹さんとお茶を飲んで、お食事をして。それから何をしたのかな?」
「やめてください、お兄様! 今日はキスしかしてません!」
「今日は? キスしか? じゃあ、いつもは何をやってるんだろうね、青葉は!」
真っ赤になってしまった青葉の肩を抱いて、怜は温かな家の奥へと彼をいざなった。
土門家は、怜のおかげでちゃんと青葉の家になっていた。
青葉の部屋まで怜はついてきたが、中まで入ることはあまりない。
入る時には、ちゃんと許可を得てから入る玲だ。
青葉の部屋は、青葉の心の中。
いきなり土足で上がり込んでいいところではない、と怜は考えていた。
その訳は、デスクに飾られた写真にある。
最近撮った、新しい土門家の家族写真。
その隣に、同じように大切に飾られた加古家の家族写真もあるのだ。
自分と違って複雑な環境に育った青葉を、怜は思いやっていた。
「でも、芳樹さんとの写真はまだ飾ってないよね。なぜ?」
「特に、理由はないのですけれど」
「僕のことを気にしてるのなら、心配はいらないよ。大学のキャンパスで、素敵な人を見つけたから」
「え!? どなたですか!?」
「まだ、教えない~」
「意地悪ですね、もう!」
こんな仲のいい兄弟の触れ合いが、日常になるなんて。
青葉は、幸せを噛みしめていた。
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