春風のように君を包もう ~氷のアルファと健気なオメガ 二人の間に春風が吹いた~

大波小波

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 一人の朝食を終え、悠希は傍に控えている先ほどの使用人に声を掛けた。
「あの、えっと……」
「辻(つじ)とお呼びください」
「では、辻さん。この後、僕は髪を整えたいと思うのですが」
 悠希は、バスで考えていた。
 貴士さんのパートナーになるには、彼にふさわしく自分を磨かねばならない、と。
 まずは、この少し伸びた髪をカットしたい。
「かしこまりました。ヘアーサロンの予約をいたします」
「お願いします」
 ダイニングから、悠希は自分に与えられた部屋へ戻った。
 出かける準備を、しなくてはならない。
 クローゼットを開けると、そこには良い匂いのする高価な衣類がずらりと並んでいる。
 試しにジャケットを羽織ってみると、あつらえたようにぴったりだ。
「貴士さん、僕のためにこれを?」
 はあぁ、と悠希は両手で頬を挟んだ。
「……すっごく、嬉しい」
 どこへ出ても恥ずかしくないようなスーツから、カジュアルなデニムまで揃っている。
「これって、貴士さんから僕へのプレゼント、だよね」
 ありがとう、貴士さん。
 新しいシャツに腕を通し、悠希は張り切ってサロンへ出かけた。
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