君と笑顔でいたい ～恋した相手は父の愛人でした！ ～

5

　立派に育って、ちゃんと働いている。
　そんな今の姿を父に明かし、安心させてやらなくては。
　そう、竜也は考えた。
　そこに、あるアイデアが頭をもたげてきた。
「あの、さ。朋くん」
「何ですか？」
「今度の祝日、ヒマ？」
「時間なら、ありますけど」

　良かったら、会えないか。
　そんな風に、竜也は朋に持ち掛けた。
「私の父に、一緒に会って欲しいんだ」
「怖いんですか？」
「怖くはないよ。母さんもいるし」
　ただ、と竜也は両手をコーヒーカップで温めた。
「父さんを、安心させてあげたいんだ。素敵なパートナーもいます、って」
「は？　誰が？　誰の？」
「朋くん。私のパートナーということにして、ついてきて欲しいんだ」
　朋は、あんぐりと口を開けた。