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しおりを挟む竜也に、朋に、正吾。
三者三様の気まずい立ち位置に風を通したのは、理紗だった。
「まずは、掛けましょう。私、喉が渇いちゃった」
ぎこちなく席に着き、それぞれが飲み物をオーダーする。
人心地着いた頃に、理紗は正吾に向かってこぼし始めた。
「全く、正吾さん。相変わらず、お盛んね。こんな若い子と、愛し合ってるなんて」
「いや。そ、それは……」
「正妻さんには、内緒にしてるわよね?」
「それは抜かりない」
「でも、きっとバレてるわ。あの人、勘が鋭いから」
「そう言うなよ。それより、どうして竜也が朋をここに連れてきているんだ?」
突然に話を振られた竜也は、固まった。
どうしよう。
元はと言えば、父を安心させるために、恋人のふりをしてもらうはずだった、朋。
まさか、その父の愛人だったとは……!
とっさに喋れない竜也に代わって、朋が口を開いた。
「僕、竜也さんと、お付き合いしてるんです」
「えっ!?」
一番声が大きかったのは、理紗だった。
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